有機強相関電子材料の可逆的な絶縁体ー金属転移の誘起に成功

【ポイント】

  • 有機強相関電子材料への化学的キャリアドープによる金属化に成功しました。
  • 金属化した試料は元の絶縁体に戻すことができ、可逆的に制御できることを明らかにしました。
  • 超伝導体を始めとする新しい有機電子材料の設計指針構築に貢献することが期待されます。

【概要説明】

 熊本大学大学院自然科学教育部博士前期課程2年の照屋亮太大学院生、同大学大学院先端科学研究部の上田顕准教授と松田真生教授は、東北大学大学院理学研究科博士後期課程3年の佐藤鉄大学院生(当時)および山下正廣名誉教授、大阪大学大学院理学研究科の花咲徳亮教授と共同で、電気を流しにくい絶縁体状態にある有機結晶を、ヨウ素の蒸気に曝すことによって電気をよく流す金属状態に変換し、それをまた絶縁体状態へ戻すことに成功しました。

 対象とした有機結晶は、単純な理論では金属状態が予測されるにも関わらず絶縁体状態にある「強相関電子材料」と呼ばれる物質で、結晶が有する孔にヨウ素を出し入れすることで電子状態を制御できることを明らかにしたものです。

 有機強相関電子材料の化学的手法による可逆的状態変化を初めて達成した本研究成果は、令和4年6月9日(現地時間6月8日)に、ドイツ化学会の学術雑誌「Angewandte Chemie International Edition」にオンライン掲載されました。

 本研究は、文部科学省科学研究費助成事業の支援を受けて行われました。


【論文情報】
論文名:Reversible Insulator–Metal Transition by Chemical Doping and Dedoping of a Mott Insulator
著者:  Ryota Teruya, Tetsu Sato, Masahiro Yamashita, Noriaki Hanasaki, Akira Ueda, Masaki Matsuda*
掲載誌:Angewandte Chemie International Edition
doi:10.1002/anie.202206428
URL:https://doi.org/10.1002/anie.202206428

 

【詳細】 プレスリリース(PDF733KB)



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