イモリは再生因子を赤血球で運んでいる!?~血液の概念を変える新発見~
【研究成果のポイント】
1. アカハライモリの包括的な遺伝子解析により、新奇遺伝子Newtic1を同定し、これまで知られてこなかった赤血球の不思議な行動を明らかにしました。
2. 成体イモリの肢再生過程では、赤血球がNewtic1タンパク質を発現し、再生中の組織に、特殊な細胞集合体となって様々な分泌因子を運び込むことを初めて明らかにしました。
3. これらの発見は、血液の概念を変える大きな成果であるとともに、イモリ赤血球成分の生理機能解明と医療応用につながる重要な成果です。
【論文情報】
題名:Novel erythrocyte clumps revealed by an orphan gene Newtic1 in circulating blood and regenerating limbs of the adult newt.
(成体イモリの循環血と再生中の肢において、オーファン遺伝子Newtic1によって明らかにされた新奇な赤血球集合体)
著者名:Roman M. Casco-Robles, Akihiko Watanabe, Ko Eto, Kazuhito Takeshima, Shuichi Obata, Tsutomu Kinoshita, Takashi Ariizumi, Kei Nakatani, Tomoaki Nakada, Panagiotis A. Tsonis, Martin M. Casco-Robles, Keisuke Sakurai, Kensuke Yahata, Fumiaki Maruo, Fubito Toyama & Chikafumi Chiba
掲載誌:Scientific Reports 8: 7455, 2018.
DOI: 10.1038/s41598-018-25867-x
【詳細】
プレスリリース本文(PDF 1746KB)
千葉 親文(ちば ちかふみ)
筑波大学 生命環境系 教授
〒305-8572 茨城県つくば市天王台1-1-1