ナノシートを金属磁石に変換する方法を発見(AIE社が科学的に重要な論文として紹介)

【ポイント】

  • 水酸化ニッケルナノシートを真空中で加熱することで、金属のニッケルに変換できることを発見しました。
  • 変換された金属ニッケルは加熱温度によって構造が変化し、強磁性(磁石としての性質)も示すことが分かりました。
  • 本研究成果の論文は、工学分野の重要論文を紹介する国際的な研究リサーチ会社(AIE社)のウェブサイトにも掲載されました。

【概要説明】 

 熊本大学大学院先端科学研究部(理学系)の原正大准教授、同大学産業ナノマテリアル研究所の伊田進太郎教授らの研究グループは、溶液中で化学的に剥離された厚さ1ナノメートル程度の水酸化ニッケルナノシートをシリコン基板上に置き、超高真空中で加熱することにより、強磁性を示す金属ニッケルに変換できることを明らかにしました。本研究成果は、成尾友佑氏(同大学大学院自然科学研究科博士前期課程修了、現ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング株式会社)の修士論文研究において、広島大学放射光科学研究センターの澤田正博准教授による放射光測定および熊本大学大学院先端科学研究部(理学系)の下條冬樹教授による第一原理計算シミュレーションなどの共同研究を通して得られたものです。

 本研究は、令和2年7月31日に国際学術誌「Nanotechnology」に掲載され、令和3年4月14日にカナダの研究リサーチ会社Advances in EngineeringAIE)のWEBサイトにKey Scientific Articleとして紹介記事が掲載されました。AIE社は全工学分野の主要な国際学術誌に掲載された論文の中から、特に重要な論文を選定して紹介しており、本研究の独創性や発展性が評価されたと考えられます。熊本大学では産業ナノマテリアル研究所を中心に、二次元材料研究を推進しており、今後の研究展開が期待されます。

 本研究は、日本学術振興会科学研究費助成事業(JP16K04879)および科学技術振興機構CRESTJPMJCR1861)の助成を受けたものです。

 ※ナノメートル:1ミリメートルの100万分の1

【論文情報】
論文名:Ferromagnetic metal conversion directly from two-dimensional nickel hydroxide
著者名:Yuhsuke Naruo, Seita Uechi, Masahiro Sawada, Asami Funatsu, Fuyuki Shimojo, Shintaro Ida and Masahiro Hara(責任著者)
雑誌名:Nanotechnology
doi:10.1088/1361-6528/aba304
URL:https://iopscience.iop.org/article/10.1088/1361-6528/aba304

【詳細】

プレスリリース本文(299KB)

お問い合わせ

熊本大学大学院先端科学研究部
基礎科学部門物理科学分野
担当:准教授 原 正大
電話:096-342-3356
e-mail:mhara※kumamoto-u.ac.jp
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