アミノ酸が根の成長の運命を決める事を証明~「生まれつき大きなダイコン」に王手~

1.植物の根の成長は、アミノ酸から成るペプチドが植物ホルモンとして機能する事で維持されている事を証明した。
2.さらに、その仲介役として、新たにPUB4遺伝子を発見した。
3.根の肥大・伸張のメカニズムを明らかにした事で、根菜などの改良にも応用が期待される。

熊本大学大学院自然科学研究科に所属する澤 進一郎 教授らのグループは、2006年に世界で初めてペプチド(※1)が植物の成長ホルモンとして働く事を発見しました。その後、根が異常に成長するシロイヌナズナを用いて、ペプチドホルモンと呼ばれるこれらのホルモンが根の成長にどのように関わるかを8年間にわたって研究し続けました。
そして今回初めて、タンパク質の分解に関わる遺伝子であるPUB4遺伝子がペプチドホルモンの機能を調節しており、根の正常な成長が守られている事をつきとめました。
本研究は、ペプチドホルモンとPUB4遺伝子が根の成長に関わる事を科学的に証明する初めての例であり、本成果によって「生まれつき遺伝的に大きくなる事が決まっているダイコン」など、根菜の品種改良に多大な貢献が期待されます。

本研究成果は、発生生物学の分野で世界的に権威のある科学誌「Development」142号に2015年1月20日掲載され、さらに「In this Issue」として、特集される事が決定しました。
(URL: http://dev.biologists.org/content/142/3/444.full.pdf+html?sid=48ac6b0a-afbe-4343-a49b-7aa65342b3d6 )

【用語説明】
(※1)「ペプチド」
2つ以上のアミノ酸が、ペプチド結合によって、ある一定の順番で連なったもの。

詳細: プレスリリース本文 (PDF 786KB)

お問い合わせ
大学院自然科学研究科
担当:教授 澤 進一郎
特任助教 石田 喬志
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(澤)sawa※sci.kumamoto-
u.ac.jp
(石田)ishida※sci.kumamoto-u.ac.jp
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