熊本都市圏の世帯不在率は28年間で41.3%から51.5%に10.2ポイント上昇
【ポイント】
- 近年の宅急便再配達の増加の一因である世帯単位の不在の実態は未解明
- 1984年と2012年の熊本都市圏の交通実態調査(パーソン・トリップ調査*1)を利用し,世帯不在率(世帯全員が不在の世帯の割合)が28年間で41.3%から51.5%に10.2ポイント上昇していることを実証
- 世帯不在率のデータは,宅急便再配達の削減,国勢調査等の訪問調査の効率化,空き巣対策等の防犯への活用等が期待される
熊本大学 円山琢也 准教授(くまもと水循環・減災研究教育センター)と大学院生深堀達也(大学院自然科学教育部土木建築学専攻博士前期課程1年)は,交通実態調査を利用して開発した新たな分析方法により,熊本都市圏の世帯不在率が1984年から2012年の28年間で41.3%から51.5%に10.2ポイント上昇していることを明らかにしました。近年の宅急便再配達の増加は,世帯全員が不在である世帯の増加が一因ですが,これまで世帯単位の不在の実態やその長期的な推移等の詳細はわかっていませんでした。この成果は,今後,宅急便再配達の削減や,国勢調査等の訪問調査の効率化,空き巣対策等の防犯への活用等が期待されます。
本研究成果は令和2年1月9日に交通地理学の国際雑誌「Journal of Transport Geography」に掲載されました。なお,本研究は文部科学省 科学研究費助成事業の支援を受けて実施したものです。
【用語解説】
*1 パーソン・トリップ調査:人の1日のすべての動きをとらえる調査。「いつ」「どこから」「どこまで」「どのような人が」「どのような目的で」「どのような交通手段を利用して」移動したのかを調査する。交通計画等の検討の基礎資料として活用される。
【論文情報】
論文名:Households with Every Member Out-of-home (HEMO): Comparison using the 1984, 1997, and 2012 Household Travel Surveys in Kumamoto, Japan
著者:Takuya Maruyama, Tatsuya Fukahori
掲載誌:Journal of Transport Geography
doi:10.1016/j.jtrangeo.2019.102632
URL:https://doi.org/10.1016/j.jtrangeo.2019.102632
【詳細】
プレスリリース本文(PDF295KB)
くまもと水循環・減災研究教育センター
電話:096-342-3489 (担当:小川)
e-mail:takumaru※kumamoto-u.ac.jp
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