2型糖尿病女性患者における低用量アスピリン療法の認知症予防効果を臨床試験で明らかに

【ポイント】

  • 糖尿病患者を対象にした低用量アスピリンの認知症予防に関する臨床試験は初めて
  • 2型糖尿病患者の女性が低用量アスピリンを長期間服用すると認知症発症リスクが低下した
  • 低用量アスピリンを認知症予防薬として、今後利用できる可能性がある

兵庫医科大学(兵庫県西宮市、学長・野口 光一) 臨床疫学 教授 森本および、国立循環器病研究センター(大阪府吹田市、理事長・小川 久雄)理事長 小川久雄、奈良県立医科大学(奈良県橿原市、学長・細井 裕司)教授 斎藤能彦、熊本大学(熊本県熊本市、学長・原田 信志)准教授 副島弘文らの共同研究グループは、脳卒中や心血管疾患の再発予防のために使用され、血液をサラサラにする作用がある「低用量アスピリン療法」が2型糖尿病患者において認知症予防の効果を有しているかを検証するために、臨床試験を延長して解析しました。その結果、低用量アスピリン療法が、2型糖尿病患者の女性の認知症発症リスクを低下させる可能性を明らかにしました。

本研究成果に関する論文は、日本時間 201912月5日(木)000(米国東部時間 124日(水)1000)に、米国内分泌領域において最も権威のある 「Diabetes Care」の電子版に掲載されました。

【論文情報】

論文名:Sex difference in effects of low-dose aspirin on prevention of dementia in patients with type 2 diabetes mellitus: A long-term follow-up study of a randomized clinical trial
著者:松本 知沙(前・兵庫医科大学 / 現・東京医科大学)、小川 久雄(国立循環器病研究センター)、斎藤 能彦、岡田 定規(奈良県立医科大学)、副島 弘文(熊本大学)、作間 未織(兵庫医科大学)、桝田 出(武田病院 健診センター)、中山 雅文(中山内科)、土肥 直文(奈良県西和医療センター)、陣内 秀昭(陣内病院)、脇 昌子(静岡市立静岡病院)、森本 剛(兵庫医科大学・論文責任者)等
掲載誌:「Diabetes Care」 4th, December, 2019電子版

【詳細】
  プレスリリース本文(PDF388KB)

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