皮膚ガンの原因遺伝子を特定!-遺伝子の異常な融合が皮膚ガンの発生に関わる-
皮膚ガンにはいくつかのタイプがありますが、血管肉腫は血管やリンパ管の細胞から発生し、皮膚ガンの中でもとくに見逃されやすくかつ治療が効きづらいため、もっとも予後の悪いガンの一つとして知られています。
ガンの主な原因として、いわゆるガン遺伝子の変異が知られています。熊本大学生命科学研究部・皮膚病態治療再建学分野の神人准教授らの研究チームは、血管肉腫では通常の遺伝子変異とは異なり、NUP160とSLC43A3という2つの別々の遺伝子が異常に融合していることを発見し、この融合遺伝子がガンの発生に関わっていることを北里大学との共同研究でつきとめました。
この融合遺伝子の発見により、皮膚ガンの原因の一端が解明されました。また、将来的に診断や治療を大きく進歩させる可能性を示しています。
本研究成果は、科学雑誌Cancer Researchに米国(EDT)時間の2015年11月1日(日)00:05 ET【日本時間の11月1日(日)13:05】に掲載されました。
(URL:
http://cancerres.aacrjournals.org/content/75/21/4458.full
)
【論文タイトル】
NUP160-SLC43A3 is a novel recurrent fusion oncogene in angiosarcoma
【著者名】
Naoki Shimozono
1
, Masatoshi Jinnin
1
, Mamiko Masuzawa
2
, Mikio Masuzawa
3
, Zhongzhi Wang
1
, Ayaka Hirano
1
, Yukiko Tomizawa
1
, Tomomi Etoh-Kira
1
, Ikko Kajihara
1
, Miho Harada
1
, Satoshi Fukushima
1
, Hironobu Ihn
1
【所属】
1
熊本大学 生命科学研究部・皮膚病態治療再建学分野
2
北里大学 皮膚科
3
北里大学 医療衛生学部臨床検査学
【掲載雑誌】
Cancer Research
【詳細】
プレスリリース本文
(PDF 889KB)
熊本大学 大学院生命科学研究部
皮膚病態治療再建学
准教授
神人 正寿((じんにん まさとし)
TEL:096-373-5233
e-mail:mjin※kumamoto-u.ac.jp
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