脳を作る神経幹細胞の運命を決定する新規タンパク質を発見!
【概要説明】
熊本大学大学院生命科学研究部 分子病理学分野の新森 (喜多) 加納子助教の研究グループは、脳を作る重要な神経細胞の基となる神経幹細胞の運命決定を司る新規タンパク質Matrin-3を発見し、神経発生メカニズムの一端を明らかにしました。
新森助教はこれまでに、生体内にごく微量しか存在しないタンパク質を検出する独自の技術を確立していました。今回の発見はこの技術を応用した形で、神経幹細胞の運命決定を司る新規のタンパク質「Matrin-3」を発見し、Matrin-3を欠失すると神経幹細胞は神経細胞への無秩序な分化を引き起こし、脳の層構造を破綻させることから、このMatrin-3が脳の発生において神経幹細胞の維持に重要であることを世界で初めて明らかにしたものです。
本研究の成果は、Natureグループのオープンアクセス誌「Scientific Reports」 において平成30年9月7日英国時間10時に公開されました。また、本研究は文部科学省科学研究費補助金(課題番号:243780)によって実施されたものです。
【論文名】
Matrin-3 is essential for fibroblast growth factor 2-dependent maintenance of neural stem cells
【著者名】
Kanako Niimori-Kita1*, Nobuaki Tamamaki2, Daikai Koizumi1 and Daisuke Niimori3*
(*: corresponding author, lead contact : Kanako Niimori-Kita)
【雑誌名】
Scientific Reports
【doi】
https://doi.org/10.1038/s41598-018-31597-x
【URL】
https://www.nature.com/articles/s41598-018-31597-x
【詳細】
プレスリリース本文(PDF511KB)
熊本大学大学院生命科学研究部分子病理学分野
担当:新森(喜多)加納子
にいもり(きた)かなこ
電話:096-373-5128
e-mail:kitakana※kumamoto-u.ac.jp
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