シクロデキストリンから成る分子ネックレス「ポリカテナン」を簡便な方法で合成
【ポイント】
- 複数のビーズ状分子「シクロデキストリン」の穴にひも状高分子を通し、両末端を接合した分子ネックレス「ポリカテナン」を簡便に合成することに成功した。
- 本ポリカテナン中のシクロデキストリン数は世界最大級である。
- 本ポリカテナンは還元環境を感知して分解し、シクロデキストリンを放出する。
【概要説明】
熊本大学大学院先導機構の東 大志准教授らのグループは、ネックレス状の分子構造を有する「ポリカテナン」の簡便な合成に成功しました。
東准教授らは、複数のビーズ状分子 (シクロデキストリン) の穴にひも状高分子を通し、その両末端をジスルフィド結合にて接合させ、ポリカテナンを調製しました。特筆すべきことに、本ポリカテナン中に含まれるシクロデキストリン分子数は世界最多でした。また、還元環境にさらされた際には、ひも状分子が切断され、シクロデキストリンがばらけるように設計しました。今後、本ポリカテナンの分子マシン、工業用素材および生体素材としての応用が期待されます。
本研究成果は、Nature グループのオープンアクセス誌「Communications Chemistry」において、英国時間の令和元年 7 月 3 日に公開されました。
【論文情報】
論文名:One-pot Synthesis of Cyclodextrin-based Radial Poly[n]catenanes
著者:Taishi Higashi, Kentaro Morita, Xia Song, Jingling Zhu, Atsushi Tamura, Nobuhiko Yui, Keiichi Motoyama, Hidetoshi Arima, Jun Li
掲載誌:Communications Chemistry
doi:10.1038/s42004-019-0180-x
URL:https://www.nature.com/articles/s42004-019-0180-x
【詳細】
プレスリリース本文(PDF558KB)
熊本大学大学院先導機構
担当:准教授 東 大志
TEL:096-371-4168
E-mail:higashit※kumamoto-u.ac.jp
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