ビタミンA類縁化合物による新たなアルツハイマー病治療法を開発~アルツハイマー病モデルマウスを用いた解析~

熊本大学・大学院生命科学研究部と財団法人・乙卯(いつう)研究所の研究グループは、アルツハイマー病に対する新たな治療法となりうる薬物療法を開発し、病態モデルマウスでその効果を確認しました。

本研究では、ビタミンAの活性代謝物であるレチノイン酸の関連化合物・ レチノイド *1 により、アルツハイマー病モデルマウスの空間認知障害と、アルツハイマー病の原因物質と考えられる脳内不溶性アミロイドβ( Aβ )の蓄積が著明に改善されることを見出しました。これは対症療法以外には未だ有効な治療法がないアルツハイマー病に対する新たな治療法を提案するとともに、アルツハイマー病の病態におけるレチノイド受容体の役割解明、ひいてはアルツハイマー病の病因解明につながる画期的な研究成果です。この成果はさらに、抗がん剤として既に医薬品として完成しているレチノイド化合物をアルツハイマー病治療に役立てる開発研究の基礎知見をも提供するものです。

本研究は、熊本大学の川原浩一助教、末延道太博士らが文部科学省の科学研究費補助金の支援を受けて乙卯研究所のグループと共同して行ったもので、科学雑誌「Journal of Alzheimer's Disease」オンライン速報版に6月10日( オランダ現地時間) に掲載されました。

*1 レチノイド:ビタミンAの活性体であるレチノイン酸や人工的に合成された同様の活性を持つ化合物の総称。

詳細: プレスリリース本文 (PDF 387KB)

【研究内容に関する問い合わせ先】
熊本大学大学院生命科学研究部 薬学生化学分野
助教 川原 浩一
電話:096-371-4358
E-mail:kkawa※gpo.kumamoto-u.ac.jp
(※を@に置き換えてください)