組織の形成に関わる、細胞の「かたち」や「ならび」を調節する新しい仕組みの解明
【概要説明】
熊本大学大学院生命科学研究部の菊池浩二講師、中西宏之教授、熊本大学発生医学研究所の中村輝教授らの研究グループは、京都大学の上村匡教授、基礎生物学研究所の藤森俊彦教授、大阪大学の菊池章教授らとの共同研究により、組織を構成する細胞の形態や配列を調節する新しい制御システムの解明に成功しました。
本研究グループは、ゲノム編集技術を用いて解析対象のタンパク質を生体内で可視化し、これまでの実験手法では解析が出来なかった、タンパク質が有する細胞内での本来の動きや局在を明らかにしました。また、今回解明した新しい細胞制御システムが、生物の種を超えて様々な生物の細胞内で受け継がれている可能性を見出しました。
本研究の成果は、ヨーロッパ分子生物学機構の雑誌「EMBO Reports」で平成30年6月7日中央ヨーロッパ時間12時(日本時間:6月7日(木)19時)に公開されました。
※本研究は、文部科学省科学研究費補助金(若手研究(B)、基盤研究(C)、新学術領域研究・学術研究支援基盤形成 「先端バイオイメージング支援プラットフォーム」)、公益財団法人上原記念生命科学財団、公益財団法人持田記念医学薬学振興財団、公益財団法人武田科学振興財団、熊本大学発生医学研究所「発生医学の共同研究拠点」事業の支援を受けました。
【論文情報】
タイトル:Map7/7D1 and Dvl form a feedback loop that facilitates microtubule remodeling and Wnt5a signaling.
著者:Koji Kikuchi1*, Akira Nakamura2, Masaki Arata3, Dongbo Shi4, Mami Nakagawa4, Tsubasa Tanaka2, Tadashi Uemura3, Toshihiko Fujimori4, Akira Kikuchi5, and Hiroyuki Nakanishi1† (*, 筆頭責任著者;†, 第二責任著者)
所属:1熊本大学大学院生命科学研究部・細胞情報薬理学分野、2熊本大学発生医学研究所・生殖発生分野、3京都大学大学院生命科学研究科・細胞認識学、4基礎生物学研究所・初期発生研究部門、5大阪大学大学院医学系研究科・分子病態生化学
雑誌:EMBO Reports、平成30年6月7日に掲載
URL:http://embor.embopress.org/cgi/doi/10.15252/embr.201745471
DOI: 10.15252/embr.201745471
【詳細】
プレスリリース本文(PDF582KB)
熊本大学大学院生命科学研究部
細胞情報薬理学
担当:菊池 浩二
電話:096-373-5076
e-mail:kojik※kumamoto-u.ac.jp(迷惑メール対策のため@を※に置き換えております)