メタボリックシンドローム、肥満2型糖尿病患者に朗報!臨床実験で有効性が認められている新しい物理的刺激「特定の微弱パルス電流」の作用メカニズムを解明
臨床実験で有効性が認められている新しい物理的刺激
「特定の微弱パルス電流」の作用メカニズムを解明
〜科学的根拠を確立した医療機器の開発へ〜
熊本大学大学院薬学教育部遺伝子機能応用学分野の博士後期課程3年、松山真吾、甲斐広文教授らは、同大医学部代謝内科学分野の近藤龍也助教、荒木栄一教授らと共に開発してきた、日本発の医療機器 (今後、薬事申請、上市予定) が発する特定条件の微弱パルス電流の作用メカニズムを、実験モデル生物を用いた解析で証明しました。
本医療機器は、医薬品開発と同様の基礎研究によって、最適化した微弱パルス電流を採用していることが極めてユニークな特徴であり、この微弱パルス電流(MES)と温熱刺激とを同時に処置することによって、メタボリックシンドロームおよび肥満2型糖尿病患者を対象とした臨床試験での有効性が確認されています(EBioMedicine, 2014)。【参考: 2014.11.12プレスリリース本文 (PDF 1.7MB)】
現在、糖尿病治療薬を服用しているが効果が不十分な患者に治療薬と併用しても有用であり、過体重や高齢のために運動療法が困難な状況の患者に対しても、適切な治療が可能となる画期的な医療機器です。本医療機器は、経済産業省医工連携事業化推進事業 (平成24年〜平成26年度) のプロジェクトとしても委託を受けています。
本研究では、本医療機器の最大の特徴である微弱パルス電流の生体への作用メカニズムを、実験モデル生物(線虫)を用いた検討により明らかにしました。微弱パルス電流が有する、ストレスに対する保護作用や過剰な脂肪蓄積に対する抑制作用が、“生体のエネルギーセンサー”と呼ばれる分子AMPK
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を活性化することで得られていたことが大きなポイントです。本研究は、2014年12月9日に『PLoS ONE』に発表されました。
『PLoS ONE』はPLOS(Public Library of Science)が編集プロセスをサポートし、生命科学・医学を含む多種多様な領域の科学論文が掲載される世界最大級のオープンアクセスジャーナルです。
詳細: プレスリリース本文 (PDF 934KB)
お問い合わせ甲斐 広文(カイ ヒロフミ)
熊本大学大学院薬学教育部 遺伝子機能応用学分野 教授
〒862-0973
熊本県熊本市中央区大江本町5-1
熊本大学大学院薬学教育部 遺伝子機能応用学分野
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