がん抑制遺伝子Chk2は、紫外線による皮膚がんの発症を防ぐ
【概要説明】
熊本大学発生医学研究所 損傷修復分野の田上特別研究員*と立石講師らは、がん抑制遺伝子の1つとして知られるChk2が、紫外線による皮膚がんの発症を防いでいることを発見しました。
これまでに欧米では、Chk2の機能を失った方は乳がんや皮膚がんにかかりやすくなることが知られていましたが、紫外線による皮膚がんのリスクが増加しているかはこれまでに報告されていませんでした。今回Chk2の機能を失ったマウスを調査したところ、正常なマウスと比べて少ない紫外線量で皮膚がんを発症することがわかりました。
今後は、Chk2の機能を失った方がどの程度の太陽の光を浴びた時に皮膚がんができていたかを調べ、生活習慣を見直すことにより皮膚がんを防ぐことができるようになることが期待されます。
本研究成果は文部科学省科学研究費補助金の支援を受けたもので、平成30年5月31日に科学雑誌「Journal of Investigative Dermatology」オンライン版に掲載されました。
*日本学術振興会特別研究員
【論文情報】
論文名:Differential Roles of Rad18 and Chk2 in Genome Maintenance and Skin Carcinogenesis Following UV Exposure
著者:Yuki Tanoue, Takeshi Toyoda, Jinghua Sun, Md. Kawsar Mustofa, Chie Tateishi, Shinya Endo, Noboru Motoyama, Kimi Araki, Di Wu, Yutaka Okuno, Tetsuya Tsukamoto, Motohiro Takeya, Hironobu Ihn, Cyrus Vaziri and Satoshi Tateishi
掲載誌:Journal of Investigative Dermatology
doi:10.1016/j.jid.2018.05.015.
URL:https://www.jidonline.org/article/S0022-202X(18)32036-0/pdf
【詳細】
プレスリリース本文(PDF404KB)
熊本大学発生医学研究所
損傷修復分野
担当:立石 智
電話:096-373-6605
e-mail:tate※gpo.kumamoto-u.ac.jp
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