定例学長記者懇談会を開催しました
令和7年9月10日(水)、本部棟1階大会議室にて定例学長記者懇談会を開催しました。
小川 久雄学長の挨拶に続き、「細胞流動から紐解く左右差発生機構の解明」について、国際先端医学研究機構の淺井 理恵子 特任講師が説明しました。
淺井特任講師は、受精卵から体が形づくられる過程における「細胞流動」に着目し、その仕組みと体の左右差発生との関わりについて研究を進めており、これまで対称と考えられてきた細胞運動に早期から左右差が存在することを示し、新たな知見を切り拓きました。本研究は、2024年度「創発的研究支援事業」に採択されるなど、今後の発展が期待される先端的なテーマです。ポロネーズ運動はこれまで左右対称だと考えられていましたが、右側の方が回転する領域が広く、回転する速度も速いことを発見し、これまで考えられていたよりも遙かに早くから体の左右差が存在していることに着目していたことを説明しました。
次に、「特別支援教育に関わる先生をサポートする『生成AIチャットボット』の開発」について、大学院教育学研究科の本吉 大介 准教授が説明を行いました。
本吉准教授は、特別支援教育に携わる先生方を支援するため、生成AIを活用したチャットボットや情報プラットフォームの開発に取り組んでおり、授業や教材づくりをデジタルツールで支える仕組みとして、開発された生成AIチャットボット、及びWebサイト「学校DX化でワクワクをサポート」について説明しました。
次に、「日米学生会議」の活動について、工学部3年生の両角 朱莉さんと工学部2年生の 小林 響さんが報告を行いました。
お二人を含む本学の4名の学生は、日米学生会議において、シンポジウムや分科会、天草でのホームステイ、熊本城での学習活動など、多様なプログラムの実施のため、企画段階から参加して活動を行ってきました。報告では学習活動の詳細を説明いただいたと共に、学んだこととして、小林さんは「日本の学生もアメリカの学生の学ぶ姿勢を見習わなければならないと感じた。良い経験をすることができた。」と話しました。
次に、「熊本大学阿蘇耐久遠歩大会」について、教育学部4年 江上 ひな さん(熊本大学体育会第66代本部企画長)が説明を行いました。
この大会は、阿蘇の雄大な自然を舞台に学生が自身の限界に挑み、仲間との絆を深める伝統ある行事であるとともに、熊本大学の学生文化を象徴するもので、今年度は10年ぶりに阿蘇山頂からのスタートを目指して準備が進められています。江上さんは、第60回大会では卒業生参加枠を設ける初の試みについて説明するとともに、運営に向けた支援のお願いを行いました。
最後に、研究・グローバル戦略、産学連携担当の大谷順理事・副学長が、血液検査を用いたがんの早期発見に関するクラウドファンディングの御礼とお知らせについて説明を行いました。
参加した報道機関からはそれぞれの発表に関して多くの質問があり、活発な意見交換が行われました。懇談会の資料は こちら を参照してください。
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淺井特任講師 | 本吉准教授 |
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両角さん(左)と小林さん(右) | 江川さん |
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会の様子 |