北野健研究室(理学部)

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Lab’s data【北野研究室データ】

卒論・修論・博論テーマ
・脂肪酸が及ぼすメダカ性分化への影響
・アロマターゼノックアウトメダカの表現型解析
・プロゲステロン受容体ノックアウトメダカの表現型解析
・コルチゾル誘導機構の解析
・メダカ生殖細胞の培養系の確立
・コルチゾルによるメダカ雄化の分子機構の解析
・ウナギ性分化の分子機構の解析      など

就職先
・大阪大学医学部助教、国立研究開発法人 水産研究・教育機構 増養殖研究所、福岡県庁、熊本県教職員、アーク・リソース(株)、(株)アンズコーポレーション、(株)リョーユーパン など

メンバー
・技術補佐員1名、博士後期課程3年3名、1年1名、学部4年生5名

研究を通して得る達成感を味わって!

 73_2.jpg研究室配属後すぐは、明確なテーマではなく、ざっくりと「魚の研究」で構いません。大切なのは、生き物を観察する、という姿勢。技術はすぐに身に付くので、少しずつやっていくうちに、遺伝子と性の関係などが分かってきて、自ら実験に取り組めるようになります。今は就職状況が良いので学部4年で卒業し就職する学生も多いですが、研究は、4年生での卒論発表が終わったくらいが最もおもしろい時。できれば大学院まで進み、研究に3年間は費やし、達成感を得て自信をつけてから社会に出てほしいと思っています。

 北野 健 准教授

Interview 

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理学部 4年 内田 真帆さん

3年生からは研究室が拠点
先輩たちのお陰ですぐに慣れました

―どんな研究を?
 アロマターゼという、男性ホルモンを女性ホルモンに変化させる触媒のような働きをする酵素が欠損しているメダカが実験対象。欠損することで起こる現象を見て、アロマターゼや、女性ホルモンの役割について調べています。3年生の授業で、ホルモンが生物の体に大きな影響を与えることを学び、興味深いと思ったことがこの研究室を選んだ理由です。
―今は、どんな毎日ですか?
 3年で研究室配属になると、研究室が拠点になります。研究室には院生や技術者の方もいるので最初は戸惑いましたが、先輩が後輩にマンツーマンで丁寧に指導してくれるので、メダカの世話の仕方なども教えてもらう中で慣れていきました。現在は就職活動中。理学とは関係ありませんが、熊本地震の経験から、いざという時に誰かの力になれるような、そんな仕事に就きたいと考えるようになりました。

大学院自然科学研究科 博士後期課程3年 原 誠二さん

北野先生のもとで研究するため
郷里の福井から熊本へ

―どんな研究を?

 魚類は性が揺らぎやすい生物です。外部からの刺激で遺伝とは違う性に変わる、その現象が興味深いと思ってこの研究を続けています。外部からの刺激が、体内でどう伝達されて性が変わるのか、そのメカニズムを明らかにしたいと考えています。
―なぜこの研究室へ?
 福井での大学在籍中は、メダカを使って臓器の発生に関する研究をしていました。性の分野に取り組みたいと思ったのは、古くから生物には性という機構があるのに、その決定のされ方や揺らぎ方は生物によって違うことに興味を持ったから。この分野における北野先生の活躍を知っていたので、熊本に来ました。北野研究室は大人数ではないので、先生が一人ひとりを丁寧に指導してくださいます。研究機器もそろっているので、最先端の研究ができます。大学では、学問をする、何かを突き詰めることの楽しさを見つけてほしいですね。

密着!北野研究室

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 実験用のメダカ。別棟にメダカ部屋があり、
 たくさんのメダカを育成中
 ストレスに応答すると赤く光るように遺伝子組
 換えしたメダカの顕微鏡写真

(熊大通信73号 (2019 Summer) 7月発行)

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096-342-3119