60年史編纂室

研究室探訪
60年の歴史を編み未来につなぐ
安田宗生室長(後方左から2番目)、三澤純副室長(後方右から2番目)
を中心とする、総勢10名の60年史編纂室
熊大学は戦後の学制改革により、昭和24年5月に、新制の総合大学としてスタートしました。
今年5月には創立60周年を迎え、これを機に、これまでの歩みと到達点を記録し、創造的発展の助けとなる大学史編纂が進んでいます。
そこで今回は、大学史編纂事業を“コア”となり推進している、60年史編纂室を訪ねました。

60年の歴史を編み未来につなぐ

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倉庫調査で持ち帰った資料を整理する上野平研究員
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収集した資料をデータ化している学生スタッフ

60年史編纂室は、平成20年4月に設置されました。黒髪南キャンパスにある2階建ての赤煉瓦の建物(旧政策創造研究センター)にあり、1階が資料室、2階が編纂室になっています。室長の安田宗生教授と、副室長の三澤純准教授を中心に、上野平真希学術研究員(編纂担当)をはじめとする常駐スタッフ4名、学生スタッフ4名の総勢10名が、平成23年10月の発刊を目指し編集作業を進めています。「部局史編」「通史編」「写真集(資料編)」の3部構成で、「部局史編」だけでも1,000ページを超える大作になる計画です。

現在、資料や写真を収集・整理し、データ化を進めながら、本学の詳細な年表づくりに取り組んでいます。大学発足直後の昭和25年に発行がスタートした「熊本大学学報」をはじめ、現在までに発行されたほとんどの大学報が収集され、書架を埋めています。編集スタッフは大学報に加え、新聞資料などから本学関係のみならず、全国的な大学の動きが書かれている記事をピックアップしています。

質料収集では、関係機関に資料や写真の提供を依頼するとともに、各学部の資料保管倉庫を回り、廃棄予定のものや保存状態の悪いものを持ち帰り、整理・保存に努めています。「附属学校を含め、全学部にある約25の倉庫を調査しました。倉庫には貴重な資料類がいろいろ眠っていました。将来の歴史資料館(アーカイブス)で活用できるよう、整理・保存を考えています」と上野平研究員は話します。

安田室長は「国立大学法人化後に大学史を発刊するのは、熊本大学が全国初でしょう。それだけに、法人化をどう評価するかがポイントの一つになります。大学史編纂事業は最大の自己評価ですし、熊本大学とは何か?を確認する重要な作業です。将来の目指す姿を書いていくことも大事だと考えています。『写真集』は、学生や一般の人に気軽に見ていただけるものになるといいと思っています」と抱負を述べています。

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大学史執筆に欠かせない、詳細な年表づくりが進んでいます 各学部の倉庫から出てきた戦前の学校印

(熊大通信34号(2009 AUTUMN)10月1日発行)

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