濱田絵美研究室(法学部)
濱田絵美研究室
【法学部】民法
Lab’s data【濱田研究室データ】
- 研究テーマ
市民生活について規律する民法を主な研究対象とする- 法律行為論、特に契約対象の性質に関する錯誤について
- 目的物に瑕疵(かし)がある場合の、売主の瑕疵担保責任について
- 法律行為をなす際の当事者意思の解釈について
- メンバー
濱田絵美講師、学部4年生10人、3年生8人 - OB・OGの進路
熊本県庁、宮崎県庁、福岡市役所、大分市役所、福岡法務局、福岡地方検察庁、福岡財務支局、佐賀広域消防局、熊本大学法科大学院、株式会社セブン‐イレブン・ジャパン、久光製薬株式会社、損害保険ジャパン日本興亜株式会社 ほか
論理的に考え、より説得力のある結論を導く
社会生活に必要な力を法学から学ぶ!
私たちが社会生活を営んでいく上で最も関わりが深い「民法」という法律を中心に、財産に関わる問題に取り組んでいるのが濱田絵美研究室です。「私たちの財産は契約によって取り引きされますが、例えば新しい駅ができると勘違いして土地を購入したけれど、実際には駅ができる予定はなかったような場合、土地の売買契約はどうなるでしょうか。このような勘違いを『動機の錯誤』といい、この場合の契約の効力など、財産に関わる取引を巡る問題を主な研究テーマとしています」と濱田講師。「この勘違いが取引相手にだまされて起こった場合でも、契約を守らねばならないかなど、関連してさまざまな問題が考えられます」。
研究室のゼミでは判例研究を主に行っています。具体的な裁判の事例を取り上げ、どのように考えれば妥当な結論に導くことができるかについて考えを深めていくのです。ここで言う“妥当”とは、「これぐらいでいいだろう」といった感覚的なものではなく、論理的に納得できるものであることが求められます。
判例は学生自ら、自分の興味があるものを探し出してくる場合が多く、それぞれが自分の選んだ判例について報告し、皆で議論を深め合う形でゼミが進んでいきます。それを繰り返す中で、自ら問題を発見し、論理的に物事を考え、より説得的な説明ができる力を身に付けていくのです。また、多角的に物事を見る目を養うため、報告する際は通説だけでなく、反対説も必ず調べてから臨むように心掛けています。
社会に出れば、好きか嫌いか、やりたいかやりたくないかだけでは通用しなくなります。自分がやりたいことを伝えたり、相手にしてほしいことを要求したりする時に、相手がきちんと納得できる理由を付けて説明できる能力が求められます。「法学を学ぶことによってそのような力を身に付け、普段の生活の中にも反映させてほしいですね」と濱田講師は語ります。
Interview:
最も身近な法律である民法を学び社会の中で役立てたい!
法学部法学コース4年 宝満 正郁さん
ずっと部活動をしていたため、高校のころから組織のルールというものに興味がありました。世の中のルールについて学びたいと思ったのが、熊大法学部に進んだきっかけです。数ある法律の中でも、民法は私たちの生活に最も身近な法律。将来役に立つのではと思い、この研究室を選びました。
現在は主に「契約」について勉強しています。2年の時、ダイビングショップに住み込みでアルバイトしたのですが、万一事故が起こった時に店舗は責任を負わないといういわゆる「免責同意書」が、法的に有効なのかどうかを尋ねられ、答えることができませんでした。そのため、「免責同意書」の有効性についてを卒業論文のテーマにしようと考えています。
卒業後は製薬会社に就職する予定です。いずれは企業法務に携わり、法学部で学んだことを生かしたいと思います。
密着!濱田研究室
法学を学ぶことで、社会で役立つ“ 説明する力”を身に付ける!
濱田研究室のゼミ風景を追いました。
- 10:20
今日は「賃貸借契約の中でも特殊な契約であるサブリース契約に、借地借家法は適用されるのか」がテーマ。 - 10:40
調べた“通説”と“反対説”をまとめたレジュメを使って、まずは皆に報告。 - 11:05
全員で報告内容について議論を行う。「なぜそうなるのか、理由を常に意識して調べることが大事」と濱田講師。 - 11:50
判例研究に使用するテキストの一部。日本の民法に大きな影響を与えたドイツの法律書もある。
(熊大通信53号(2014 SUMMER)7月1日発行)
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