熊本大学文書館 オンライン展開催 ~闘争のことば 石牟礼道子 苦海浄土第三部『天の魚』から読むビラ合戦~

event_available 日時: 2021年4月22日 16時50分 から 2022年3月31日 23時55分 まで

一般

 熊本大学文書館ウェブサイトでは、新型コロナウイルス禍における展示の取り組みとして水俣病関係資料のオンライン展を開催しています。ぜひご覧ください。

 2021年現在、私たちが直面している新型コロナウイルス感染拡大下では、他者に対する様々な「ことば」が日頃の会話やネット上で行き交っています。現在のインターネット・SNSを使ったことばのやり取りや世論形成に近い「伝える」手段として、以前は「ビラ」がありました。

 本オンライン展では、1969年熊本市発足「水俣病を告発する会」として自らも水俣病患者支援のビラ作成に関わっていた石牟礼道子著『天の魚』(1974 筑摩書房)を道標に、同作に登場・関係するビラ等資料から、告発する会と「ビラ合戦」(1971年 水俣市)に関するデジタル画像を紹介します。

 1968年、水俣病は公害病として政府により認定されます。患者たちは原因企業チッソとの第3者を介さない補償交渉を望みましたが、チッソは応じませんでした。患者たちは座りこみをはじめとする「自主交渉」やビラ配布により自らの意思を伝えようとしました。一方、水俣の保守派は患者たちの行為に反発し、水俣を「明るく」するためにチッソの経済的・社会的恩恵を訴え、「市民連絡協議会」結成大会を開きビラを配るなどして対抗言説を広めようとしました。

 1971年異なる立場がぶつかり合う当時の水俣におけることばの力とはどのようなものだったのか、ことばが闘争の手段とされた「ビラ合戦」をいま見つめなおします。

[詳細:オンライン展URL](文書館ウェブサイト)

http://archives.kumamoto-u.ac.jp/archive/archive-2.html

・イントロダクション

http://archives.kumamoto-u.ac.jp/archive/minamata_intro.html

・動画:1970年代日本のガリ版文化(4:51, 話し手=文書館市民研究員 阿南満昭)

http://archives.kumamoto-u.ac.jp/archive/video.html

・解説:自主交渉とは(文書館市民研究員 阿南満昭)

http://archives.kumamoto-u.ac.jp/archive/minamata_jisyukoushou.html

 

※ 本展で紹介する資料の脱酸性化・デジタル化および英文ネイティブチェックは、人文社会科学国際研究センター・学際的研究資源アーカイブ領域の協力により行われました。英語版は後日公開予定です。



お問い合わせ
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