教育学部美術教育 松永拓己准教授 第72回二紀展にて会員優賞 受賞

 この度、熊本大学教育学部美術教育の松永拓己准教授が、2018年10月17日から29日まで、国立新美術館(東京・六本木)で開催されました第72回二紀展におきまして、会員優賞を受賞いたしました。(会員優賞は、二紀会会員の中で、特に優れた作品に贈られる賞)

 松永准教授の受賞作品は、「花の使者」というF150号(227cm×182cm)の大作であり、重厚な描写と大胆な構図、銀箔を使用した特殊技法による作り込みが特徴的な現代的芸術作品です。

 この作品は、全国巡回が行われ、神戸展(原田の森ギャラリー)、広島展(広島県立美術館)、佐賀展(佐賀県立美術館)、長崎展(長崎県美術館)、金沢展(金沢21世紀美術館)で陳列されます。

 松永准教授コメント 「長くテーマとして追及しています私的哲学を1枚の絵に描いています。飛ぶ力を花が与え、花は蜂に恵みを与えられることから、相生の姿を描いています。画面では、睡蓮をモチーフに、水面に咲く姿と、これから花開く直前の膨みを表し、その間に、花虫が舞い降りる姿を描いています。それは、花により生きさせてもらう姿でもあり、新たに花の命を繋いでゆく姿でもあります。いわば花が生み育てる花の使者であり、宝相華文を纏い、もはや精霊ともいえる存在を描いています。技法は、油彩の中に銀箔を使い込み融合させた作品で、古典的でありながら現代的感覚で表しています。」

第72回二紀展では、松永研究室から4名の学生さんが絵画出品し、全員が入選を果たしました(4年:高橋佳奈美さん、4年:万膳知佳さん、大学院1年:小川千晶さん、大学院1年:松窪綾さん)。

H30松永教員
受賞作品

「花の使者」 F150号(227cm×182cm) 油彩画
― 第72回二紀展 国立新美術館会場にて ―
(※画像をクリックすると拡大します)

H30高橋さん

教育学部4年 高橋佳奈美さん   「sparkle」 F100号

 「熊本のアーケード上通りの書店の灯りが向かいのブティックのショウウィンドウに映る様子が、まるで星を撒いたようでしたので、そこに人物を合わせて描き、都会的な世界観を描きました。今回初めて全国展への挑戦で、入選できたこと、大変嬉しいです。二紀展の批評会に参加し、先生方や他の方々の作品を拝見で、自分の技量と今後の制作への課題を知ることができ、良い経験になりました。これからの目標としては自己の強みである色彩表現の追及に取り組んでいきたいです。ご指導いただきました松永先生、ありがとうございました。」

H30万膳さん

教育学部4年 万膳知佳さん  「往時集積」 F100号

「過去を積み重ねながら未来へ進んでいく自分の人生に例えて表現しました。また、実際に東京の国立新美術館に赴き、全国からの作品を見たり、講評を頂いたりした事で刺激を受け、制作の課題や方向性を考える機会となりました。今後の制作に役立て精進します。ご指導いただいた松永先生、ありがとうございました。」

H30小川さん

大学院教育学研究科1年 小川千晶さん  「Wisteria」 S100号

「今回2回目の二紀展入選ができました。作品名「Wisteria」は「藤」という意味です。これまで、馬をモチーフに風景と共に描いてきましたが、今回は馬そのものの魅力を引き出せるよう挑戦しました。馬は感情が豊かです。たてがみの中からチラリと見える円らな瞳が魅力的です。これからもその作風で内面的な魅力を引き出せるように研究していきたいと思います。ご指導いただきました松永先生お世話になりました。」

H30松窪さん

大学院教育学研究科1年 松窪綾さん  「DIVE」  P100号

「今回、この展覧会での2回目の出品に挑戦し、入選できて嬉しいです。本を通して、本の中の世界と自分の世界に「DAIV」(没入)する人の様子を描きました。「あったらいいな」という自分の世界を表現するするのは難しく、楽しくもあるのでこれからも挑戦していきたいです。ご指導いただきました松永先生ありがとうございました。」

※二紀展は、故宮本三郎理事長(芸術院会員)等による設立で、今年で72回展開催の国立新美術館(東京・六本木)で開催される全国美術展です。全国各県支部から1000人を超える大作での絵画出品がなされ、厳格な審査の上入選となります。また、海外展等国際的な活動を行っている展覧会です。 

お問い合わせ
教育学部事務課総務担当
096-342-2518