高岸幸弘研究室(教育学部)
現場で起きている問題をテーマに「心」を学ぶ
実際の現場の問題をテーマに
この研究室は臨床心理学をテーマに研究しています。私は、児童福祉施設で臨床心理士として勤務した経験もあり、児童福祉や虐待などの問題を取リ扱っています。
学生の研究テーマはさまざまですが、問題や悩みが生じた場面が臨床心理学の研究対象になります。福祉の現場で起きていることや事例などを、できるだけ学生に伝えるように心がけています。
心理学の魅力は、自分の周りにあるあらゆるものが対象になること。自分の生活の半径50cmの中に発見があります。日々の暮らしが科学になる心理学の面白さを感じてもらいたいですね。
研究室の特徴
1.研究テーマ
研究テーマは学生それぞれの興味があるものを取り上げています。今年度は、発達障害やうつ病、集団心理などです。
2.研究室の雰囲気
少人数の研究室でとてもフレンドリー。ゼミでの発言も多く、先生だけでなく同級生の言葉からも多くの気づきがあります。
3.自由なディスカッションのゼミ
ゼミでは現場から出てくる問題などについて自由にディスカッション。正しい答えがあるわけではないので、先生も含め、対等な立場で発言しています。しゃべっている中でいろいろなことが発見できます。
主な就職先
学校教員、大学院進学(臨床心理士・公認心理師資格取得のため)、公務員(心理職)、一般企業 ほか
学生から一言!
教育学部小学校教員養成課程心理学専修4年
岡田 優志さん
—どんな研究を?
私の研究テーマは「自己愛」。自己中心的な性格などについて研究したいと思っています。研究室には4年生で配属されますが、それまで心理学を学んだことがなく、先生からテーマにあった本を紹介してもらいました。『行動分析学入門』という研究手法の本でしたが、科学や研究についての考え方が大きく変わりました。目からウロコで、研究する、ということがわかったように思います。
将来は小学校の先生になりたいと思っています。学んだことを現場で生かしていきたいですね。
—研究室のよいところは?
少人数なので、いつも和気あいあいとしています。ゼミも堅苦しいイメージは全くありません。ディスカッションでもいろいろな意見を自由に出し合える雰囲気があります。先生もいろいろな発言をされますが、内容が面白くて知的。自虐的な話も交えながら、経験したことをたくさん教えてくれます。たくさんの学びがありますよ。
教育学部小学校教員養成課程心理学専修4年
梅田 蓉子さん
—どんな研究を?
研究テーマは「病むこととパーソナリティ」です。新型うつ病や周囲からの刺激を受けやすいHSP(Highly sensitive Person)などに興味があり、このテーマを選びました。もともと心に関心があり、人の無意識について学びたいと思っていました。
高岸先生は、児童福祉の現場に長くいらっしゃったこともあり、ゼミでは実際にあったさまざまなケースを紹介してもらえます。現場をイメージしながら知識が深められるのがいいなと思っています。
—将来は?
心の健康に携わる仕事につきたいと思っており、臨床心理士やカウンセラーなどを目指しています。その点でも、実際に臨床心理士である先生の経験談や事例を交えた話はとても興味深いです。
うちの研究室自慢
心理療法演習風景
心理検査演習風景
(熊大通信81号 (2021Summer)7月発行)