心理学研究室(文学部)
私たちは、どうやって認識している?見る、聞く、理解する、覚える、考える。
寺本 渉 教授
VR技術を用い、高齢者の身体機能と知覚認知機能との結びつきを明らかにする研究を行っています。実験心理学分野は、見て聞いて触れて、体験してはじめてわかることがたくさん。学生の皆さんにはできるだけ体験して学んでほしいと思っています。
安村 明 准教授
主に小児の発達について、認知神経科学的な手法を用いて研究しています。心理学は、あらゆる人間行動が研究対象。その勉強で培う視点は、心理学と無縁の職業であってもきっと役立つと思います。
学生が見た!心理学研究室3つの特徴
1.研究テーマ
人がどう物事や人物を知覚し、認識しているかを探究する基礎研究です。実験や演習等も多用し、人間を客観的に捉える心理学の考え方と方法を習得します。
2.研究手法
実験計画や統計処理学も学び、自分たちでとったデータをレポートにまとめる中で、人の心の動きに関する新しい知見を生み出す力を身につけます。
3.先生
親しみやすく、次の考え方や行動を的確に助言し導いてくださいます。
Lab’s data
- 卒論テーマ
視触覚の連合学習に関する実験的研究
東洋人における顔情報の無意識的処理に関する実験的研究
視聴覚ペクションに関する実験的研究
無意識の体動同期現象に二者間の人間関係が与える影響についての実験的研究
身体所有感に関する実験的研究
恐れ表情観察時におけるVRT効果に関する実験的研究
顔の印象操作が再認課題に与える影響ー感情情の2 つの次元と他人種効果の観点よりー など - 就職先
熊本県庁、福岡県庁、佐賀県庁、福岡市役所、(独)地域医療機能推進機構、品川区役所、(株)JTB、
ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング(株)、損害保険ジャパン日本興亜(株)、日本生命保険(相)、第一生命保険(株)、
SCSK(株)、ビーダッシュ(株)、(株)タナベ経営、(株)朝日製作所、(株)SYSKEN、(一社)日本自動車連盟、アパホテル(株) ほか - メンバー
研究員2名、 博士後期課程8名、博士前期課程2名、研究生1名、学部4年10名、学部3年7名
Interview
博士前期課程2年 渡邉 弘さん
ーなぜこの研究室に?
私は病院で働いており、患者さんの記憶力や主観的幸福感とリハビリの効果の関連を感じていました。大学院の入試説明会や先生との面談で、認知症予防に関心が高く、社会人でも研究が可能な環境があることを知り、進学しました。
現在は、高齢者の「主観的幸福感」と、記憶や意識、思考、問題解決などの認知機能との関連について研究しています。研究室には社会人学生が多く在籍しているので、多分野の見識に触れられ、ゼミでの意見交換もとても有意義です。
ーどんな時、やりがいを感じますか?
予測していた結果と違う答えが出た時に、わくわくします。そして、その結果をリハビリの現場に導入し、うまくいって患者さんの笑顔が増え行動が変化した瞬間を一番楽しいと感じます。今後は、リハビリそのものや生活に対する、やる気や生きがいが向上するような治療や訓練を提供できるようになりたいです。
博士後期課程1年 黒田尚輝さん(右)
ー現在、どんな研究を?
身体に何かが触れた時の触覚は、実は、自分の周囲の空間にまで広がっています。しかも、その範囲はその時の自分の心の働きなど、状況によって変化します。私は今、そういうヒトの心の働きが年齢によってどう変化するのかを研究しています。研究は仮説を立てて進めますが、意外な結果が出ても、それが何を意味しているのかを考ス、そのメカニズムを論理的に構築している時もすこくやりがいを感じます。
ーどんな研究室ですか?
鍋やたこ焼きを楽しむアットホームな面もあれば、白熱する議論を展開することも。学びも楽しみもとことん真剣な、とてもよい雰囲気の研究室です。
研究は難しく、うまくいかない時もあります。しかしこの研究室で、本気で何かに取り組むことは自分を成長させてくれると実感しました。努力が必ず報われるわけではありませんが、努力すれば、少なくとも後悔はないと学びました。
密着!心理学研究室
研究室のメンバーで楽しいひととき
心理学演習の様子
(熊大通信77号 (2020Summer)7月発行)