民俗学研究室(文学部総合人間学科)

研究室探訪
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民俗学研究室
【文学部総合人間学科】

Lab’s data【民俗学研究室データ】

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  • 研究テーマ
    山下裕作教授(左)/応用民俗学、生業研究
    鈴木寛之准教授(右)/ロ頭伝承論、漫画文化研究
     56-3.jpg民俗学研究室の調査実習報告書『熊民叢書』は、2010年度からこれまで10冊近く刊行。「熊大生の放課後」は、学生生活や大学周辺事情などについてまとめたユニークな一冊。


  • メンバー
    山下裕作教授、鈴木寛之准教授、大学院生4人、学部4年生13人、3年生11人、研究生3人
  • OB・OGの進路
    熊本県松橋収蔵庫(学芸員)、福井県立博物館(学芸員)、萩博物館(学芸員〉、法務省、熊本県庁、佐世保市役所、球磨地域農業協同組合、株式会社熊本県民テレビ、株式会社阿蘇ファームランド、株式会社システムクレオほか

民俗学を通して”人間としての技能”を学び、社会で活躍できる人になる!

民俗学とは、人の営みの中における風俗や慣習、しきたり、言い伝えなどの歴史的変遷の過程を明らかにし、そのことによって現代の生活文化を解明しようとする学問です。
民俗学研究室では、山下裕作教授と鈴木寛之准教授の指導の下、文献研究とともに、フィールドワークを重視した調査研究を行っています。
「熊大民俗学は、”救世済民”の学である柳田國男の民俗学の流れをくんでいます」。官僚でもあった柳田國男と同じく、農林水産省に勤務した経歴を持つ山下教授は語ります。「民俗学を研究することによって、農村の地域活性化などにつなげていくとともに、自分自身の能力も高めることができる"実用的な民俗学”を目指していることが、この研究室の特徴といえるでしょう」。

学生たちは、時には泊まり込みで農村などの現場に入って実際の暮らしを体験し、住民の方々に聞き取り調査を行うなどします。「徹底したコミュニケーションによって課題を見いだし、住民と協働して解決策を探っていきます。このような手法は、農村だけでなくさまざまな場面で通用するはずです」と山下教授。
民俗学研究室の調査対象は、地域に伝わる神楽や生業に関するものから湯治文化、就活(就職活動)の歴史、アニメの聖地巡礼までさまざま。多彩なテーマに対応するとともに、学生が実体験を通じて社会を生きる力や技能を高められるよう、研究室ではうどん作りなどの食品加工や環境・生態調査、農業経営調査など、さまざまな実習や研究方法を取り入れています。
「学生たちには、“何を知るか”より“どう育つか”を大切にしてもらいたい。民俗学を学ぶことによって‘人間としての技能”を高め、それを生かして社会で活躍できる人になってほしいですね」。

Interview:調査実習で得た知識や能力を社会の中で生かしていきたい

56-4.jpg 文学部総合人間学科地域科学コース 民俗学4年
松田孝介さん

民俗学は幅広い分野を研究の対象としています。どの研究室に所属するかを選択するにあたり、ここでなら自分が最も興味・関心が持てるテーマを自由に選ぶことができると思い、民俗学研究室に入りました。
昨年度の調査実習では、宮崎県の諸塚村に数日問滞在し、生業や神楽について調べました。この時の、蜂を巣から取り出し、調理し、食べる”蜂料理体験”は強烈でしたが、村の人々にとってはこれも生活文化。さまざまな地域や集落があり、それぞれに習慣や文化を持つことは本や資料に書いてはありますが、実際に体験することで、実感を伴った知識として自分の中に蓄えることができたのは有意義であったと思います。
また、聞き取り調査でたくさんの方々と接することで、コミュニケーション能力を高めることもできました。社会に出れば否応なく人と関わります。民俗学研究室での経験は、きっと今後の仕事や生活に生きてくると思います。

密着!民俗学研究室

現地調査は民俗学の基本!阿蘇郡西原村河原地区での「環境点検ワークショップ」の様子をおいました。

  • Nov.22
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    班単位で現地を歩き、気付いたことを記録、地域住民が知らなかったこと、忘れていたことを発見することもある。
  • Nov.23
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    調査結果を「現状マップ」に、自分たちが感じた地域の可能性を「将来構想マップ」にまとめる。
  • Nov.24
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    完成したマップを基に住民の皆さんへの報告会を開催。学生、住民が互いに意見を出し合い、地域の未来を考えていく。

(熊大通信56号(2015SPRING)4月1日発行)

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