西洋史学研究室(文学部歴史学科)

研究室探訪
歴史を学ぶことで国、文化、大学の境界を越え、新しい世界へ飛び出す人となる!

西洋史学研究室
【文学部】歴史学科

Lab’s data【西洋史学研究室データ】

  • 丹下教授、三瓶准教授、中川准教授 研究テーマ
    「フランス・ベルギー中世史」、「アメリカ史」、「イギリス近世史」

    丹下教授は修道院に関する史料を用いて中世ヨーロッパの社会経済について研究。フランク時代の、特に所領管理・経営実態については、造詣が深い。主著は『中世初期の所領経済と市場』(2002年創文社)。写真はサン・タマン修道院所領明細帳(9世紀・仏)。
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  • メンバー
    丹下栄教授、三瓶弘喜准教授、中川順子准教授、
    大学院生3人、学部4年生8人、3年生11人、2年生10人
  • OB・OGの進路
    直方市役所、熊本市役所、天草市立天草アーカイブズ、大分県警察、熊本大学、福岡大学、熊本県立高等学校、ルーテル学院高等学校、大分銀行、みずほ証券、西島製作所、日本旅行、西日本電信電話 ほか

歴史を学ぶことで国、文化、大学の境界を越え、新しい世界へ飛び出す人となる!

先人が残したさまざまな史料を基に、過去の事象の原因・経過・意義等を実証的に解き明かす歴史学。西洋史学研究室では、丹下教授、三瓶准教授、中川准教授、それぞれの専門分野である「フランス・ベルギー中世史」、「アメリカ史」、「イギリス近世史」を軸に研究に取り組んでいます。
「今を生きる私たちの目には過去の人々の行動が奇異に映ることもありますが、彼らが置かれた時代や立場から考えれば、きちんと筋道が通っているのです。歴史学では、物事を多様な視点でとらえることの大切さも学べます」と丹下教授。例えば、アメリカ史専門の三瓶准教授は、資本主義国家アメリカにおいてさえ社会的弱者に目を向け、社会の安定を図ろうとする経済思想が脈々と息づいてきたことに気付き、「パブリック・エコノミー」と名付けて研究しています。

三瓶准教授は「研究室のテーマは『境界線を越えよう!』です」と熱く語ります。まずは国境を越えようと、10年以上前から海外研修旅行を実施。また、“熊本大学という境界”も越えようと、今年3月には福岡で開催された「九州西洋史学会若手部会 若手研究報告会・読書会」に“他流試合”として臨みました。九州各地から集まった他大学の院生・学部生と活発な議論を戦わせた経験は、学生たちに大いに刺激を与えたようです。
3人の先生が共同研究体制をとる西洋史学研究室では、学生も同じ研究者として、対等に扱われます。三瓶准教授は、「今の若者は外に出て行くことを恐れるといわれますが、実は大きなエネルギーを秘めている。ちょっと背中を押してあげれば飛び出せるはずです。西洋史学研究室で多様な価値観があることを学んで、広い世界へ羽ばたくきっかけにして欲しい」と、学生の成長を温かく見守ります。

Interview:

活発に議論を交わす雰囲気の中で積極的に研究に取り組みたい!

西洋史学3年 黒田太郎さん 文学部歴史学科世界システム史学コース
西洋史学3年 黒田 太郎さん

熊本大学文学部歴史学科では、2年生のときに学生は各コース・研究室に所属し、それぞれの分野に関する基本的な知識を学びます。3年次には卒業論文を見据えて研究テーマを見付けます。私はヨーロッパ中世の祭りについて研究したいと考え、今は史料収集中です。
講義では外国語で書かれた論文を読み合うなどし、先生・学生関係なく活発に議論を交わします。西洋史学研究室は先生と学生の距離が近く和気あいあいとした雰囲気があり、それが演習にも現れているのでしょう。
この研究室では自ら積極的に行動することが求められます。積極的に学ぶ姿勢を身に付けて、それを人生においても生かしたいと思います。

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教える・教えられる関係というより、共に学び合う仲間という雰囲気に満ちた西洋史学研究室

密着!西洋史学研究室

さまざまな“ 境界線”を越えることを目標に掲げる西洋史研究室。積極的に取り組む学生たちの姿を追いました。

  • Mar.13 ⇒ Mar.22
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    海外研修でイタリアへ。研修旅行では研究室で学んだことを現地で体感すると共に、人々との触れ合いを大切にしている。
  • Mar.31
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    若手研究報告会・読書会には2年生が参加。他大学の上級生に囲まれても対等に議論できたことが貴重な経験になった。
  • May.15
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    丹下教授の講義。次々と飛んで来る教授の鋭い質問に答えるうち、いつしか学生からも課題を提言できるようになる。

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    「西洋史研究室年報」は、修士・卒業論文や3年生の課題研究の内容要約と共にその年の研究室の出来事も掲載した一年の集大成。

(熊大通信49号(2013 summer)7月1日発行)

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