在学者代表送辞

白川を吹き抜ける温かな風に春の訪れを感じるこの良き日に、晴れて卒業・修了される先輩方に在校生一同、心よりお祝い申し上げます。

 

皆様は熊本大学に入学されてから本日に至るまで、日々の勉学をはじめ、部活動やサークル活動、ボランティア活動など、様々なご経験をなされ、その一つ一つが皆様の心に深く刻まれていることと思います。これらの経験はやがて学生時代のよき思い出として想い起こされ、皆様の心の支えとなることでしょう。

 

熊本県内に甚大な被害を与えた熊本地震の発生から間もなく4年が経とうとしています。新生活を迎えられた直後に被災された方も多く、大変な思いをされたことと思います。あれから、熊本の街は少しずつ復興への歩みを進め、今年は熊本のシンボルである熊本城の天守閣が修築され、市民に勇気と復興への活力を与えました。変わりゆく熊本の街を眺めれば、自然とこれまでの大学生活での出来事が蘇ると共に、仲間と肩を抱き成長されてきたご自身の足跡を実感されるのではないでしょうか。未曾有の災害にも負けず、力強く歩み続けてこられた先輩方の背中を道標に、私たち在校生も日々精進してまいります。

 

これから卒業生・修了生の皆様はそれぞれの道を進んでいかれます。順風満帆な日々を送られることを願っておりますが、時には困難に対峙することもあるかもしれません。そんな時は、熊本大学で懸命に駆け抜けてきた日々が、前へと進む原動力となり、先輩方の背中を押してくれることでしょう。令和最初の卒業生となる皆様は、まさしく新しい時代の象徴です。ここ熊本大学で培った「意気や溢るる五高魂」を胸に刻み、皆様がそれぞれの場所で唯一無二の輝きを放つよう、在校生一同心より応援しております。

 

最後になりましたが、皆様のご健康と今後ますますのご活躍を祈念いたしまして、送別の言葉とさせていただきます。

 

令和2324

在校生代表 文学部 山田 悠太朗