令和3年度の主な取り組み

国際化関連

COIL(Collaborative Online International Learning)による国際交流学習、オンラインプログラム

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(オンラインによる講義の様子)

 Multidisciplinary Studies科目(英語による教養教育)の一環として、本学協定校であるインドネシアのスラバヤ工科大学(ITS)とCOILによる協働学習を実施した。本プログラムは、タイ、フィリピン、マレーシア、スペイン、オーストラリアの本学協定校の教授陣も含めたチームティーチングで実施し、本学とITSの学生がオンラインでディスカッションや交流活動を行った。
 また、オーストラリア・シドニー工科大学、マレーシア・プトラ大学の学生と本学グローバルリーダーコース生との間でそれぞれオンラインによる交流プログラムを実施し、グループワークやプレゼンテーション等を行った。
 これらの活動を通し、本学学生が日本にいながらグローバルな学びを体験し、様々な課題に対する複眼的な思考力やコミュニケーション力を養うことができた。

日本語講座

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(日本語講座の様子)

 本講座は、本学の留学生、外国人教員、研究員及びその配偶者を対象に、日本で生活するうえで必要な日本語の基礎を教えることを目的として、平成29年度から実施している。依然として新型コロナウイルス感染症の影響が大きかった令和3年度は、ほぼオンラインでの開講となったが、アットホームな雰囲気の中、受講者はひらがなやカタカナ、簡単な漢字や基礎文法を学び、併せて地域住民との円滑なコミュニケーションに必要な日本文化や習慣を学んだ。年間を通じ、63人が本講座を受講した。

多言語文化総合教育センター主催国際シンポジウム開催

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(シンポジウムポスター)

 令和3年12月に、多言語文化総合教育センター主催で「現代のグローバル社会の課題に関する学際的国際シンポジウム2021~持続可能なポストパンデミックの世界~」を対面・オンラインのハイブリッド形式で開催し、国内外から55名が参加した。本学教員及び国内外のゲスト講師による講演やパネルディスカッション、グローバルリーダーコース生によるポスターセッション等を通じ、地域社会、文化、政治、Society5.0、教育等、様々な観点からパンデミック後の世界について課題を探り、SDGs達成への道筋について思索する場となった。

ガバナンス改革関連

理事と部局長、理事とグローバルリーダーコース関係教員との意見交換

 グローバルリーダーコースの更なる充実を図るべく、グローバル戦略担当理事と本コース生が所属する文学部、法学部、理学部、工学部の各学部長が意見交換を行った。また、グローバル戦略担当理事と本コースの学修プログラムや課外教育プログラムを担う大学教育統括管理運営機構の教員グループとで定期的なミーティングを実施した。これらを通して課題の洗い出しを行い、プログラムの見直しに着手したことにより、本コースの更なる質の向上が期待される。

教育改革関連

全学年対象のオンライン英語教材提供

本学学生の英語力向上施策の一つとして、全学生を対象としたオンライン英語教材の提供を開始した。受講者は3つのコースから個人のレベルや希望に応じたコースを選択でき、24時間いつでも受講可能な利便性の高い教材となっている。令和4年度も継続して提供予定であり、自主的・主体的に英語を学ぼうとする学生に英語の学習環境を提供することで、学生の英語力向上及び英語学習の習慣づけが期待される。

大学独自の成果指標と達成目標

熊大グローバルYouthキャンパス

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(熊大高千穂塾)

 高校生に対する英語による授業や留学生との交流の機会提供として、熊本県立高森高校との連携による「南郷塾寺子屋」、宮崎県立高千穂高校との連携による「熊大高千穂塾」を開講した。また、「高校生のためのグローバルリーダー育成教育プログラム(肥後時修館)」を実施し、将来のグローバルリーダーを目指す県内の高校生64名に向けてオンデマンド及びオンラインによる特別授業やスクーリングを実施した。さらに、熊本高等専門学校及び有明高等専門学校の学生173名に対し英語による講義を実施した。加えて、オープンキャンパスの一環として例年実施している「サマーフェスタ」をオンラインで実施、多言語文化総合教育センターのバーチャルツアーの配信や高校生とグローバルリーダーコース生との対談をオンラインで実施した。
 コロナ禍においてもオンライン等を活用し、高校生・高専生に対する早期グローバル教育を推進することができた。

教育のグローバル化の推進と地域への波及を目指したFD研修

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(FD研修の様子)

 「オンラインを活用した国際共同教育の事例」~How to COIL (Collaborative Online International Learning)~をテーマに、グローバル教育の推進に係るFD研修を令和4年3月に開催した。コロナ禍が続く中、オンライン教育や国際協働教育のあり方について広く事例を共有するため、本研修は本学教員だけでなく、大学コンソーシアム熊本加盟機関及び国立六大学国際連携機構の教員も対象とし、COILの基本的な特長だけでなく、「SDGs」や「Society5.0」をテーマとしたより具体的な取組事例や教授法を紹介した。Q&Aセッションでは、必要とされる英語レベルやCOILを実施する上で国際的な取り決めがあるのか等、様々な質問が上がり、コロナ禍における国際協働教育を推進させる一助となった。

大学の特性を踏まえた特徴ある取組

韓国科学技術院(KAIST)と熊本大学の合同セミナーシリーズ

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(セミナーポスターより)

 国際先端医学研究機構(IRCMS)と国際先端科学技術研究機構(IROAST)は本学における生命科学系、自然科学系の先駆的な国際共同研究や融合研究を推進している。医理工連携等の異分野融合研究を強化し、新たな研究分野の発掘のため、令和3年7月から11月にかけ、本学の協定校である韓国科学技術院(KAIST)とオンラインセミナーシリーズ(Joint Invited Speaker Seminar Series)を開催した。全14回の本セミナーでは、KAIST、熊本大学、その他の機関の研究者による最先端の研究発表が行われ、延べ380名以上の参加者が情報交換や議論を行った。国際共同研究の更なる発展が期待される。