馬と思いを通い合わせて、動物と触れ合える唯一の部活動 熊本大学体育会馬術部
部員は初心者ばかり。OBでもある先生に指導してもらっています
健児くん(以下◆):普段の練習の様子を教えてください!上中別府さん:現在は、週に1回、球磨郡あさぎり町にある南稜高校で練習をしています。部員は、1年生3人と私と、3年生で主将の野田さん、あと留学生とマネージャーの合計7人です。OBOGの方とのつながりが強く、OBOGの方も練習に参加され、アドバイスしていただけたりすることもあります。昨年の豪雨被害の影響で、あさぎり町までの列車が一部区間で運休しているため、OBOGの方に送迎もしていただいています。私たちの監督である池本先生も、実は熊本大学馬術部のOBです。
私を含め、部員は大学から馬術を始めた人ばかりです。私は、通っていた高校に馬術部があり、馬が好きで興味はもっていました。しかし、先に入部した美術部は、他の部との兼部を禁止していたため、馬術部には入れませんでした。熊本大学に入学後、馬術部があることを知り、縁を感じて入部しました。
野田さん:私は12歳のときから馬に乗っています。高校までは馬術クラブに通っていました。しかし、馬術クラブと大学の馬術部では馬の乗り方が違ったため、初心者で大学から始めたと言っても過言ではないと思います。
上中別府さん:最初は、常歩(なみあし)という歩く練習から始めますが、落馬しないように池本先生が調馬索と呼ばれるロープを引いてくださるので、安心して乗ることができます。常歩の他に、速歩(はやあし)、駈歩(かけあし)という走り方があります。どの歩き方、走り方でも、最初は池本先生が調馬索を持ってくださって、レベルアップすると、自分で馬を操って、障害物を飛んだり、ポールを回ったりする練習をします。速歩や駈歩はリズムがあるので、リズムに合わせて体を浮かせないといけません。これが難しくて、リズムが合わないとお尻が痛いです。
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馬と思いが通じ合い、思ったとおりに操れると面白い
上中別府さん:馬と一緒に活動できること。動物と一緒に取り組む部活動って、なかなかないですよね。動物好きなら、きっと楽しめると思います。
また、馬も生きているので、思いを持っています。「馬と思いが通じ合い、思ったとおりに操れたときが面白い」とOBOGの方は皆さん口をそろえておっしゃいます。リズムが合うだけでも、うれしくなりますね。私は操るところまではいかず、逆に馬の銀城(ぎんじょう)くんの方が上手に動いてくれるので、銀城くんに「上手に乗せてくれて、ありがとう」と感謝しています(笑)。銀城くんは今19歳。歴代の部員たちを乗せてきた大切な仲間です。
自転車や自動車と同じように、一度馬に乗れるようになると、年を重ねても乗れるのも馬術の魅力です。なので、馬術部で乗馬の基礎を身につけて、大人になってからゆっくり乗馬を楽しむ…そんなきっかけで入部するのもありだと思います。
馬術は水泳と同じく全身の筋肉を使います。姿勢を正しくしていないと、全身筋肉痛になりますよ(笑)。1回乗ると、暑いくらい体が温かくなるので、冬にはおすすめです。
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乗馬体験するような気軽な気持ちで体験に来てほしい
◆:これからの目標を教えてください。上中別府さん:年に2~3回大会があり、池本先生と相談しながら、レベルに合わせて出場します。主将の野田さんは入賞経験もありますが、私はまだ大会に出たことがありません。大会に出るのが目標と言いたいところですが、今は自分で馬を操れるようになりたいです。最近はコロナ禍で練習ができないことが多かったですが、これから練習を重ねていきたいです。コロナ禍前は、夏休みに人吉で合宿をしていたそうなので、2022年は合宿できるといいですね。
野田さん:私はありがたいことに1年生のときから毎年大会に出させていただきました。また、コロナ禍で練習がままならない状況でしたが、着実に実力をつけて表彰台にもあがらせていただきました。今年度は残念ながら賞をとることはできませんでしたが、昨年、一昨年より一回り、二回りも成長した走りができたと感じています。
上中別府さん:私が入部したころは、部員が2人ほどしかいなかったのですが、2021年は1年生が3人も入りました。新歓では、大江総合運動場に銀城くんを連れてくるので、触ってみたり、試乗したりできます。希望があればいつでも体験できますので、あまり難しく考えず、旅行先で乗馬体験をするような気軽な気持ちで体験に来てください。
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(2022年3月11日掲載)