「カッコいい」に魅せられて たった一人で休部状態から部活を再開 アーチェリー部
大学から始めても全国大会に行ける!
健児くん(以下◆):一人で部活を再開させようと思ったのはどうしてですか?渡邉さん:アーチェリーの弓の形状が好きで、中学生のころからあこがれていました。入学した大分県の高校にはアーチェリー部がなくて、弓道部に所属。その後、熊本大学に進学して、サークルを探していたら、ホームページで「アーチェリー部」を発見!喜んでいたら、数年前から部員がいなくて休部していると聞かされ、がっかりしました。でも諦めきれなくて、部のOBでもある顧問の先生を訪ねて大学などと交渉してもらい、なんとか部活動を再開することができました。
最初の1年間は、部員は私一人だけでした。「気軽にやればいいや」と思っていたら、顧問の先生から「アーチェリーは大学から始めても全国大会に行けるぞ!」とハッパをかけられ、がぜん練習に力が入るようになりました。実は、高校時代はインターハイに行けなかったので、全国大会に出場するのが夢でした。練習の甲斐あって、先日の予選大会で良い成績を残せたので、来年のインカレに出場できるかもしれません。
新入生の勧誘はオンラインで。「スタートはみんな初心者」
◆:新入部員の募集は順調でしたか?渡邉さん:2年目に部員を募集しようと思ったら、新型コロナの流行で新勧イベントが制限され、Twitterでの勧誘に力を入れました。何とか昨年は8人、今年は7人が入部してくれました。高校で弓道部だった人もいますが、全員がアーチェリーは初心者です。「スタートはみんな同じだから、全員で頑張っていけば上手になるよ」と励ましています。
公式練習は木曜日と土曜日、他の日は自主練です。たくさん弓を引いて体に教え込み、失敗も経験していくことで、きれいに弓を射ることができます。ですが、部員に対してあまり強く指導することはありません。全国大会を目指す部員もいれば、エンジョイしたい部員もいるので、楽しい部活を心がけています。
先輩が残してくれた新しい伝統と記録を起点に
◆:次の部長として鶴田さんが目指していることは何ですか?
鶴田さん:的を狙っている目の鋭さ、遠い距離からでも的を外さない、渡邉さんのカッコよさにひかれて入部しました。渡邉さんの練習方法は、決められた時間内で、決められた量の矢を放つというもの。「無駄なことをしない」という新しい伝統を受け継いでいきたいです。
コロナ禍で全体練習ができない日が続きました。自宅で筋力トレーニングや体幹を鍛えたり、週1回はZoomでミーティングをしたりして、部員のモチベーションを維持しました。
初めて的の真ん中に当たった時のうれしさが忘れられなくて、それを励みに練習しています。楽しみながらでも、少し上達するとうれしくなり、練習に熱が入ります。いろんな大会で優勝するなど成績も残しています。先輩が残してくれたこの記録を起点に頑張っていきます。
■熊本大学体育会アーチェリー部Twitter
https://twitter.com/k_u_archery
(2021年12月28日掲載)