学長からのメッセージ

熊本大学長 崎元達郎 初夏の楠の新緑や晩秋の銀杏の黄葉に囲まれる美しいキャンパスよりご挨拶申し上げます。

木立に恵まれた黒髪キャンパスの北地区を散策しますと本学の前身の一つである第五高等学校の英語教師であった夏目漱石の石碑に遭遇します。そこには、「夫れ教育は建国の基礎にして、師弟の和熟は育英の大本たり」という碑文が記されています。国を支える学生の教育をするという往時の教師の気概と精神が説かれており、百有余年を経た今なお私どもの心を打ち、奮起させてくれます。

本学は、創設以来、幾度もの発展的改組を重ね、現在では、文学部、教育学部、法学部、理学部、医学部、薬学部、工学部の7学部と理工系の自然科学研究科(修士、博士)、文学研究科(修士)、教育学研究科(修士)、法学研究科(修士)、医学研究科(修士、博士)、薬学研究科(修士、博士)、社会文化科学研究科(博士)の7つの大学院研究科によって構成されています。なお、医療技術者養成を目的として附置されていた医療技術短期大学部は、平成15年度より医学部保健学科として改組発展させるべく、また、法曹の専門職を養成するための法科大学院を平成16年度に設置すべく鋭意努力しているところです。

各学部はそれぞれに一世紀を超える伝統を培っており、優秀な卒業生の多さとそのネットワークが熊本大学の宝となっていることは申すまでもありませんが、最近の教育研究における充実発展ぶりも、下記の施設等の整備に明確に表れています。

平成 9年度 エイズ学研究センターの設置(日本に唯一のエイズ学の研究拠点)
平成10年度 動物資源開発研究センターの設置(実験動物の飼育開発の拠点)
平成11年度 衝撃・極限環境研究センターの設置(日本に唯一の爆破実験施設)
平成12年度 発生医学研究センターの設置(21世紀COEプログラムとして採択された拠点)
平成13年度 沿岸域環境科学教育研究センターの設置(有明・八代海沿岸域の研究拠点)
生涯学習教育研究センターの設置(生涯学習による社会貢献の拠点)
サテライト・ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー(起業家養成のための教育拠点)
平成14年度 インキュベーション施設(大学シーズの企業化のための研究施設)

また、熊本大学では、平成10年度から産官学連携研究推進機構という組織を立ち上げ、全国の大学に先駆けて設置された地域共同研究センターを中心として、熊本県やくまもとテクノ産業財団、熊本TLO等と緊密な連携を取りつつ、地域貢献に役立つべく努力しています。

私は、学長就任に際して、「Kumamoto University for you = KU4U= あなたのための熊本大学」と称する次の4つの目標を所信として表明し、大学の構成員一人一人が心を合わせてその実現と持続に努力することをお願いしました。

1) 熊本大学は、未来を生き抜く国際水準の人材を養成します。
2) 熊本大学は、先導的、基礎的研究を実施し、新たな知的価値を創造します。
3) 熊本大学は、地域と連携し、教育、文化、産業、医療に貢献します。
4) 熊本大学は、学術交流と留学生教育により国際貢献します。

この「KU4U」の確実な実現と持続のためには、私を始め熊本大学構成員のさらなる努力は当然ですが、学外の方々の暖かなご理解とご支援が不可欠です。平成16年度から予定されている国立大学の法人化に向けて、熊本の人々には、熊本大学を誇りに思って頂けるように、日本全国の若者には、熊本大学で勉学・研究したいと熱望していただけるように、世界のできるだけ多くの人々に、日本に熊本大学ありと知って頂けるように努力すべきであると思っておりますので、このホームページを通して、熊本大学を正しくご理解いただき、ご批判、ご提言を積極的にお寄せ下さることを期待致しております。

熊本大学長
崎元達郎




お問い合わせ
経営企画本部 秘書室
096-342-3206