“全員バスケ”で九州リーグ戦2部に昇格!
ベンチも一緒に勝ちに行くチーム目指して
2013年、10月27日(日)、「九州国際大学平野記念館」(北九州市)で開催された「第20回全九州大学バスケットボールリーグ戦 入れ替え戦」で、ひと際高い歓声が響きわたりました。熊本大学女子バスケット部が3部リーグから2部へと昇格を決めた瞬間でした。2部へ昇格したのは3年ぶりのこと。悲願を達成した彼女たちは、11月に代替わりをし、新しいチームとして走り始めています。
現在、部員は全部で9人。プレイヤーは7人、マネージャーが2人のチームをけん引する新主将は、教育学部2年・安藤由夏さんです。「入れ替え戦までは、自分が思い描くプレーができて、楽しければよかった。上級生が4人もいて、甘えていたのかもしれませんね。主将になると決まったときは、わくわくしました。これからどうしよう、どんなチームづくりをしようかって、これからが楽しみでした」。
熊大はオフェンスのチームだという安藤さん。点数を取ることができても、ディフェンスが弱く、悔しい思いもしてきました。また、小・中学校、高校と、常にスタートマンとして試合で活躍してきたものの、大学ではじめて、ベンチで試合を応援する立場も経験したといいます。「熊大でももちろんバスケットをしたいと思い、部に入ったんですが、初めて“6マン”のポジションを経験しました。試合を外から眺める気持ちを体験できたことは、今とてもよかったと思っています。試合に出るメンバーだけでなく、ベンチも一緒に試合に勝ちに行く、そんなチームを作りたいですね」と安藤さんは目を輝かせて、教えてくれました。
自立した部活に向けた第一歩がスタート
代替わりした女子バスケットボール部にとって一つの転機となったのは、それまでボランティアで指導してくださったコーチをこれからはお願いせず、自分たちだけで活動をしていく決断をしたことでした。入れ替え戦ももちろん、コーチの下で一つになって戦ってきた部員たちにとって、コーチを失うことは大きな事件です。「部内でも意見が分かれ、何度もミーティングを重ねました。私たちは、自分たちで考えて進んで行くことが大切だと思ったんです。失敗しながらでも、自分たちで進んでいくプロセスがきっと力になると信じて、決断しました」と安藤さん。
プレイヤーが7人しかいない現在、練習方法にも工夫が必要です。「できるだけ縦割りでペアを作り、ウオーミングアップなど行います。相手のいいところを見つけてあげたり、悩んでいる様子に気付いてあげるような、コミュニケーションも大切にしたいですね」。
そんな部員たちをしっかりとサポートするのがマネージャーの皆さん。練習中はタイムキーパーを務めたり、ボールインするなど大忙しで、試合中にはコーチさながらの激を飛ばすチームのムードメーカーです。教育学部2年・田崎まゆさんは、「試合中は、厳しい声も飛ばしますよ。皆に勝ってほしいというよりも、一緒にコートに立っているのと同じです」と語りながらも、部員たちのお世話も欠かさないまさに縁の下の力持ちです。
部員たちだけで進んでいける秘密は、選手からマネージャーまで一心同体の“全員バスケ”にありました。
チャレンジして、失敗して、そして成長する
4月、女子バスケットボール部は、新しい部員を一人でも多く迎えるべく、練習に力が入るこの頃です。「バスケットボール経験者は『入ろう』と思ってきてくれるけど、そうでない人もぜひバスケットボールの楽しさを味わってほしいですね。バスケットボールの魅力は、選手と観客が一つになって盛り上がれるところだと思います。たくさんチャレンジして、失敗できるのも今だけですから。自分の目標を持って、それを達成できるような充実した部活の時間にしていきたいと考えているんですよ」と笑顔がこぼれる安藤さん。
2014年の目標はもちろん1部リーグ昇格。1部リーグの上位3チームが「日本大学バスケットボール選手権大会」(通称:インカレ)に 出場することができます。「2部でもインカレに出場するチャンスがあるんですよ。チャレンジマッチで勝てば、出場も夢じゃありません。どんなときも声を出して、チームを引っ張っていきたいですね。いつも支えてくれるマネージャーたちの思いにも応えたいんです」と安藤さん。主将になって、周囲の人々の応援や協力があってこそ、思いっきりバスケットボールに打ち込むことができることに気付き、感謝の気持ちが持てるようになったといいます。そんな“成長”を自身も喜びながら、部員の皆も経験してほしいと願っています。
「バスケットボールを上手くなりたい」「チームとして強くなりたい」など一人一人の目標は違っても、思いは一つ。女子バスケットボール部は、夢の1部リーグ昇格、そしてその先にあるインカレに向けて走り続けます。
(2014年3月31日掲載)
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