番外編 東京大学・熊本大学硬式野球部交流戦
一高×五高戦を実現し、新たな伝統を
◆:谷口学長、どうして東大との試合を実現しようと思われたんですか?
谷口:“打撃の神様”と称された故川上哲治さんが県民栄誉賞を授与されましたね。川上さんといえば、サインプレーや守備のカバーリングなどを取り入れた「ドジャース戦法」を日本で初めて採り入れ、現在の野球の礎を築いた人。そんな川上さんゆかりの球場で、伝統ある旧制高校の一高(現東大)と五高(現熊大)の試合を実現したいと思ったことがきっかけです。ナンバースクール同志のつながりができれば交流が生まれます。ゆくゆくは鹿児島の七高(現鹿児島大学)など他のナンバースクールも巻き込んだ大会につながるとうれしいですね。
◆:日本の野球は、一高の前身である東京開成学校予科に伝わったことから始まったと聞きました。 川上さんの偉業と東大野球部の歩み、日本の野球の歴史をたどる上でも意義の深い試合ですね。
谷口:長い歴史の中で五高と七高は試合をしていますが、おそらく一高対五高は初めて。そういった面では新しい歴史を刻む一戦ですよ。「熊大も“甲子園”で活躍した名将・山口俊介監督を迎えて部員も増え、強くなりましたよ。ぜひ試合を」と東大の濱田純一総長に直接お願いすると快諾してくれました。東大は六大学野球リーグ戦で鍛えている上、元巨人の桑田真澄さんを投手コーチに迎えた強敵です。胸を借りるというよりも、「やるからには勝て!燃え尽きるまでやれ!」と選手たちにエールを送りたいですね。
勢いに乗り、7―2で熊大が快勝!
2月26日(水)、小雨の降る中「川上哲治記念球場」(人吉市)には、伝統の一戦を見ようと多くの人々が観戦に訪れました。開会式の後には、東大の選手たちへお土産を贈呈するなど和やかな雰囲気の中、東大の先攻でプレーボール。スタンドから熊大応援団と熊大チアリーダー部「BLAZES」が熱いエールを送る中、1回裏、熊大に先制点のチャンスが訪れます。教育学部4年・森山将志選手がスクイズを決めて1点を先取し、勢いに乗った熊大は序盤で5点をリード。東大は教育学部3年・白砂謙介選手が3塁打を放つなど反撃のチャンスを掴み、3回に2点返したものの4回と7回に追加点を許し、7-2(7回雨天コールド)で熊大が快勝しました。
精神力のもろさを克服して次のステップへ
◆:山口監督、東大戦の勝利おめでとうございます!
山口:ありがとうございます。かつての一高と五高の伝統を刻む大学同志で試合ができたことで、選手たちは野球の歴史に触れることができ、伝統を体感することができたのではないかと思います。また、川上さんは私にとって高校の大先輩で、来熊された時にはアドバイスをしてもらう機会などもありました。その川上さんゆかりの球場で、日本へ野球が伝わった歴史を受け継ぐ東大と試合ができて、感無量です。試合を実現してくださった谷口学長に感謝の気持ちを伝えたいですね。
◆:今日の部員たちの活躍はいかがでしたか?
山口:ずいぶん力が付いてきたとは言え、これまで“ここぞ”という大切な時に力を発揮することができませんでした。精神力のもろさが大きな課題でしたが、今日はよくがんばったと誉めてやりたいですね。
◆:選手たちを評価するとすれば、今日は何点付けてあげますか?
山口:そうですね、 “90点”くらいでしょうか。まだまだ課題も多いチームですが、一人一人はいいものを持っていると思いますので、しっかり指導していきたいと思います。
◆:「第91回九州地区大学野球選手権大会 熊本地区予選(熊本四大学野球春季リーグ戦)」開幕まで後わずか、がんばってください!ありがとうございました。
(2014年3月26日掲載)
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