理学部から地域まで、広がれ!“交流の輪”
“自ら楽しむこと”がモットー
7月5日(金)、熊本大学理学部の中庭で開催された「理学部七夕祭り」。天文学や宇宙の神秘についても学ぶ理学部ならではのイベントを開催しようと、10年前から続く恒例行事です。浴衣姿の学生が七夕の雰囲気を盛り上げる中、各サークルによるライブやダンスの披露が行われ、理学部生はもちろん、他学部の学生や地域の方々も参加し、大きなにぎわいをみせました。
イベントを主催したのは、理学部の1・2年生の有志43人によって編成された「理学部実行委員」。平成16年に理学部6学科が1学科制になったことをきっかけに、人数の増えた学生同士の交流を深め、交友と知識のネットワークを広げよう!という思いの下に結成され、毎年5月の新入生向け合宿、7月の七夕祭り、11月の球技大会の企画・運営を行っています。
「参加者全員が笑顔で楽しめるような企画を考えるので、話し合いの時も笑いが絶えません。きっと企画している私たちが一番イベントを楽しんでいます」と笑顔で語るのは委員長の理学部2年・平尾瑞紀さん。理学部長の古島幹雄教授が掛けてくれた「楽しい!と思うことは何でもやりなさい!」という心強い言葉も、活動への意欲を後押してくれているといいます。身近で支え、指導してくれる先生方が多くいることも彼女たちが伸び伸びと活動ができる理由の一つです。
学年を超えた交流を行いながら、企画・運営の手腕を学び、経験を積むことができる貴重な場として、メンバーたちは年3回の活動の時間を大切に過ごしています。
新たな自分を発見できる出会いを
一学年約200人の理学部は、入学後6クラスに分かれて授業を進めます。クラスの親睦を深め、新たに始まる大学生活を有意義に送ってもらおうと、毎年5月に天草で開催されるのが理学部新入生合宿研修です。委員長の平尾さんは、1年生の時に参加した合宿の楽しさに感動し、実行委員の門を叩きました。「友だちができるか不安だった私に先輩方が、『一緒に楽しもう!』と声を掛けてくださり、私も先輩のように新入生を優しく迎えたいと思いました」。理学部2年・副委員の寺岡沙紀さんは、「参加者全員が特技を生かすことができるような企画を提案したかった」と、それぞれの思いを持って挑んだ初めてのイベント運営。
今年の合宿は運動が苦手な人でも誰もが主役になれるようにと、恒例のスポーツ大会の他、クイズ大会や人間知恵の輪など、頭を使い、スキンシップを行うレクリエーションをクラス対抗戦で行い、クラスの絆を深めようと奮闘しました。
「合宿終了後、その場で10人以上の1年生が実行委員への加入を申し出てくれたんです!」とうれしそうに語る平尾さん。「約200人の新入生をまとめた経験が内気な性格だった自分に自信を与えてくれました。リーダーなんてやることはないと思っていた私が委員長をやろうと決心できたのは、笑顔で支え、助言を与えてくれる心強いメンバーと出会えたから。参加者の皆さんにも、互いを高め合い、成長し合えるような関係を生む “交流”を体験してほしいと思いながら活動しています」と、リーダーとしての熱い思いを語ってくれました。
活動に誇りを持ち、さらなるつながりへ!
七夕祭りに向けて、およそ1カ月前から準備を進めてきた理学部実行委員。今年は10回目の記念の年ということで、「地域の方や他学部の学生にも足を運んでもらい、さらに交流の輪を広げたい!」と新たな目標も定め、周辺商店街の方々の協力を受けて、黒髪キャンパス周辺に短冊や飾りをつるした笹の葉を設置し、地域全体で祭りのムードを盛り上げます。また、告知もこれまでのように学内にポスターを貼るだけでなく、各学部の授業で呼びかけを行ったり、商店街に出向いてポスターの掲示をお願いしたりと、メンバーたちは本番前日まで準備に向けて忙しく走り回りました。
当日はあいにくの曇り空にも関わらず、会場は他学部生や先生方、地域の方など多くの人でにぎわい、実行委員の出店も長蛇の列ができるほどの人気ぶり。フォークソング研究部やジャンベカンなどのサークルが会場を盛り上げ、お客さんは思い思いに祭りを楽しみながら、いつもとは違う大学の夜を満喫しました。
七夕祭りを終え、「イベントは1日で終わってしまうけれど、それまでの企画や準備など裏方の苦労を学生のうちに経験できたことを今後の糧にしていきたい」と語る寺岡さん。メンバーたちは、地域の親子連れや留学生など普段なかなか出会うことのない人たちの交流の場を生み出せたことに活動の意義を再確認したのです。
今年の活動も残すところ11月の球技大会のみとなりました。「このような交流イベントを行っているのは理学部だけ。活動に誇りを持って、最後の球技大会は理学部の“縦のつながり”を生むことができるような楽しい企画を考えていきたい!」と、主催者として残り少ない時間を無駄にしないようにメンバー一同笑顔で突き進んでいきます。
(2013年7月12日掲載)
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