益城の子どもたちに夏休みの思い出づくりを! [文学部コミュニケーション情報学科有志メンバー]

now-short2.jpg

image01.jpg

子どもたちに、熱中できる体験を

image02.jpg 熊本地震で2度も震度7を観測した益城町で、この夏、出版社の仕事を体験するイベント「今日から君も編集者!おいでよ!ましきっず」が開かれました。その企画運営に携わったのが、熊本大学文学部コミュニケーション情報学科の有志メンバーです。「避難所になっている益城町総合体育館に、東京の印刷会社の方が訪れて『何かできることはないか』と考えられたことが、このイベントの始まりだそうです」と話すのは、4年生の米倉藤子さん、この活動のまとめ役です。
コミュニケーション情報学科の江川良裕先生が東京の印刷会社から相談を受けたことが熊大も関わるきっかけになりました。コミュニケーション情報学科の専門は「外国語」と「情報メディア」。この中の「情報メディア」で何かサポートできることがあるのでは、と、この企画がスタートしました。スタッフとして集まったのは15人。「私を含め、他のメンバーも過去に子ども向けのイベントに携わっていた経験があり、『私たちなら力になれるかも』という思いを持っていたようです」と米倉さんは言います。誰をターゲットにするか、何をするか、という話し合いを進めて行く中、ちょっと本格的な総合学習の時間をイメージして、出版社体験ができないか、という結論に。「日頃は体験できない、熱中できることを、と、私たち学生が中心になって企画を考えました。また、この活動をするにあたり、大学からは『きらめきユースプロジェクト』(※)の補助を受けました」。
※きらめきユースプロジェクト…熊本大学をアピール・活性化するような学生手作りの企画事業の活動経費を支援するもの

益城町の魅力を伝えるフリーペーパーを作ろう!

image03.jpg イベントは、8月6日・16日・20日の3日間にわたって行うことを決定。募集を行いました。実際にイベントが始まるまでには不安なことがたくさんあったそうです。「そもそも参加者がいるのか。1回目と3回目は、10時~16時までの長丁場、子どもが飽きるんじゃないかな?と心配でした。一番心配だったのが、内容によっては、子どもたちが地震のことを思い出してしまうんじゃないか、ということでした」と米倉さん。しかし、子どもたちはそんな不安を大きく裏切ってくれました。参加者募集チラシを益城町内の小学校から配布したところ「楽しそうだと思ったから」「お母さんが行ってみたら?と言ってくれた」と11名の子どもたちがやって来ました。
イベントは、チームに分かれ、『We love Mashiki』をテーマにしたフリーペーパーを制作することをテーマに始まりました。自分たちの目で、耳で益城町の魅力を再発見してもらうことが目的です。1回目は、チーフエディターやカメラマンなどの役割分担をして、各チームでどんな記事を書くのか編集会議を行い、取材に出かけました。取材先で手づくりの名刺を渡したりしている子どもたちの姿は、プロの仕事を体験できた!と実感しているように見えました」と米倉さんも楽しそうに話します。2回目は、取材してきた内容をまとめ、原稿用紙に記事を作りました。できた文章を学生がパソコンに入力したり、タブレットを使って写真を選定したりして、素材を作成。その後、子どもたちが紙にレイアウトし、学生がパソコンで組み上げました。3回目は最後の仕上げをし、どんな誌面ができあがったのか保護者を招いて発表会を行いました。
「自分たちがどんなことを伝えたいのか一生懸命考えてくれて、取材も積極的でした。聞き忘れた!と言って追加取材しに行った子もいました。熊本のため、そして、子どもたちを元気にしたい!という思いで参加していましたが、逆に子どもたちに元気づけられました」と、とても嬉しそうに話します。

大成功でイベント終了!今後も益城には足を運びたい

image04.jpg
完成発表会では、チームごとに「オシャレ」「出会い」「ラブ」というテーマで制作した誌面を発表しました。子どもたちはそれぞれに「どこに何を置くのか考えるのが難しかった」「文章を書くのを頑張った」と発表をしました。「予想以上のクオリティーでした!レベルが高いかなと心配でしたが、よく頑張ってくれました!」と発表会も終えて、米倉さんもホッとした表情を見せました。みんなで制作したフリーペーパーは後日、子どもたちのお家に配布しました。
「子どもたちの笑顔を見ることができてよかった!」とスタッフの熊大生も大喜びでイベントは終了しました。「今回のイベントはこれで終了ですが、今後も時々、益城には足を運びたいなと思っています。『どんなときでも、子どもたちに学びを提供したい』という思いを伝えていきたいと思います」と話す米倉さんの顔はキラキラ輝いていました。
(2016年11月17日掲載)



お問い合わせ
マーケティング推進部広報戦略室
096-342-3122