震災で開かずのシャッターを活かして 絵で街を元気に!

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「熊本を元気にしたい!」その思いで始まったシャッター壁画

image02.jpg image03.jpg 健児くん(以下:◆):どういうきっかけで、シャッターに絵を描くことになったんですか?
松永:帯屋さんは、今年が創業150周年の節目の年でした。記念イベントもたくさん計画されていましたが、熊本地震で実施が難しくなってしまいました。しかも、開かずのシャッターができてしまいました。では、いっそこのシャッターを使って何かできないか、とスタッフの皆さんで考えたのが、シャッターに絵を描くことだったそうです。その話が私のところへやってきたのがきっかけです。通りには熊本地震により、まだ数多くの店舗が閉まっていたり、普段通りの営業が出来ない状態です。「シャッターに絵を描くことで街に元気を発信できるものにしたい」という帯屋さんの思いと、「私たちが得意な絵で熊本の復興支援をしたい」という私たちの思いが合致したんです。
◆:活動には、先生だけではなく学生さんも参加されているんですね。
松永:下通りに行けば自分の作品がある、ということは学生の大きな励みにもなると思いました。しかも、学生なので『先輩がここに絵を描いた』と語り継がれることになると思います。学生たちの心に残ってもらえればいいな、と思ったんです」と帯屋の宮崎社長はおっしゃってくださいました。
そこで、ゼミ生に声をかけて、学生と一緒の制作が始まりました。3名が参加することになり、2面あるシャッターのうち、1面は学生、1面は私が原画を担当しました。私の絵は朝日をイメージして、普段の油絵でも描いている花を妖精に組み合わせ帯屋さん風にアレンジしました。花は今回、肥後六花にしました。肥後六花は熊本を象徴し、その花の中を自然の化身である妖精たちが飛び回る中に、日が昇る絵柄です。熊本の復興を意味しています。学生の方は、「花を咲かせるクジャク」です。これも参加学生がいつも油絵のモチーフにしているもので、帯屋さんのイメージとぴったりだと思ったので提案してみました。6月にお話をいただいて、原画が完成するまで1カ月かかりました。そして、7月29日からシャッターに描き始めました。

人として成長できたこの経験に感謝

image04.jpg ◆:実際に制作を始めていかがですか?
松永:いつも絵を描くときはそうなんですが、とても緊張します。絵は描いてみないとどうなるかわかりませんから。この緊張感の中、絵を描くことは大変であり大切です。しかし今回は、思いどおりできたぞ!とホッとしています。さらに、夏真っ盛りの時季の屋外制作なので、とにかく暑い!(笑)。朝から夕方まで制作をしていますが、暑さで体力も集中力も奪われますし、まるで運動しているかのように汗をかきます。水分補給が欠かせません!
◆:学生の様子はいかがですか?
松永:学生たちは壁画制作の経験はありますが、シャッターに絵を描くのは初めての経験です。シャッターの凹凸や画面が広いことに苦労しているようです。また、足場にのぼり、帯屋さんの2階の高さで絵を描くこともあるのですが、難なくこなしているようで、実際は怖い人もいるようです(笑)。でも、みんな楽しみながら制作をしています。「絵を見てくださった方が元気になるためには、絵を描いている私たちが楽しんで描かないといけない」、そんなことを話してくれました。
学生たちも熊本地震の被災者。でも、絵を見てくれた人たちが笑顔になり、元気になってくれたらと、授業やアルバイト等の合間を縫って参加してくれました。本当によく頑張ってくれました。人の役に立つこの活動を経験したことで、彼女たちは人間的にも成長できたと思います。このような機会を作っていただいた関係者の方々に感謝いたします。

シャッター壁画を復興のシンボルに!

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◆:シャッター壁画が熊本にとってどんな存在になったらいいですか?
松永:このシャッター壁画が復興のシンボルになったらいいなと思っています。公開制作としたのも、熊本県民の皆さんにこの絵を見てほしいという思いからです。宮崎社長は、街中のラウンドマークになるといいな、とおっしゃっていました。
これらのシャッター壁画は、絵を見た人たちの心があったかくなったり、安らかになったり…そんな優しい気持ちになれるように描いたようです。下通アーケード側のシャッターには、妖精の羽だけが描かれている部分があります。ここに立つことで、妖精になり、絵に参加することができるんです。是非、ここに立って、絵の中に参加してください!
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(2016年9月28日掲載)
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