新年の言葉


熊本大学長 崎元達郎 未だに明るさの見えない経済状況、行財政の構造改革の厳しさ、困難さは昨年4月スタートした国立大学法人熊本大学にも課され続けます。本年の4月からは、法人化2年目に入りますが、大学予算が実質的に削減される厳しい状況の中、本学では国際水準の教育による人材育成と高度な学術研究、産学連携研究、先端医療、高度地域医療を実施しており、地域に根ざしつつ世界に発信する大学を創るべく全構成員が一致協力して努力しております。

その成果を報告しますと、「特色ある大学教育支援プログラム(特色GP)」に「学習と社会に扉を開く全学共通情報基礎教育」が採択されました。全国に少ない2年連続のGP採択により、情報(SOSEKI)を用いた学習支援と情報倫理を含めた情報リテラシー教育が益々充実します。

また、「専門職大学院形成支援プログラム」には本学法科大学院が申請した3件(11大学連携、3大学連携、単独)がすべて採択されるという快挙も成し遂げました。これを機に電子収録設備を備えた模擬法廷の整備やサイバークリニックシステムの構築が進められます。また、三洋電機(株)との包括的連携の調印、東京リエゾンオフィスの開設と「参与」制度のスタート、「地域結集型研究推進事業」の文部科学大臣賞の受賞、ハーン没後百周年祭とレリーフの建立、熊本大学同窓会連合会の設立、薬学部宮本記念館の竣工等、多くの良いニュースや事業が進みました。

本年は附属病院中央診療棟が建ち上がってきますし、発生医学研究センターの新棟の完成、黒髪南地区(理学部、工学部)の校舎の改修のスタート、情報ネットワーク館(図書館増築)と放送大学熊本学習センターの合築など、施設整備が飛躍的に進む予定です。

事業では、今までの諸事業に加えて、ものづくり創造融合工学教育事業、ナノスペース電気化学研究会創出事業、熊本大学LINK構想を活用した地域再生推進事業(シンクタンク機能を持つセンターの設置)、人獣共通感染症を全国組織の連携で研究するプロジェクト、重要文化財阿蘇家文書の修復保存事業、等を推進する予定です。

私どもは変動の中にこそチャンス有りと考えて一人ひとりの意識改変による大学改革の推進と競争的環境のなかでの国立大学法人熊本大学の更なる発展に努力する所存です。

年頭にあたり、2004年の輝かしい成果を踏まえて2005年が更なる発展の年となるよう学内外の関係各位のご理解とご支援を心からお願い申し上げます。

熊本大学長
崎元達郎




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