大学からでも始められる音楽[マンドリンクラブ]

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「ここなら楽しめるかも」。大学で音楽を再開

ギターともバイオリンともまた異なる美しい音色を奏でるイタリア発祥の弦楽器、マンドリン。熊大マンドリンクラブでは30名の部員が今日も練習に励みます。
部長を務めるのは文学部3年の射場絵吏さん。音楽系の部活やサークルに所属している人は、音楽が得意なイメージがあるかもしれませんが、射場さんは一度音楽で挫折した経験を持っています。「小学生のころにピアノを習っていたのですが、うまく演奏できずに辞めてしまいました。でも、音楽が好きで、小学校の器楽部に入りました。器楽部の活動は楽しかったですね」。その後、中学、高校で一旦音楽とは離れてしまったのですが、大学で再び音楽をやりたいと、音楽系のサークルを探し始めます。そこで出会ったのがマンドリンクラブでした。入部のきっかけについて射場さんは「先輩たちが素敵で惹かれてしまいました。ここなら楽しめるかも、と思ったんです」と語ります。
最初は楽譜も読めずに苦労したと話す射場さん。学業との両立に悩むこともあったそうです。しかし、「周りもほとんど初心者ばかり。先輩も一から丁寧に指導してくれるので、できないことへの焦りなどはありませんでした。先輩方が優しいから、続けてこられたんだと思います」。
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奏法が難しいけれど、幅広い楽曲を楽しめる!

マンドリンは弦を弾いただけでは音が響きません。音を響かせるには、2本の弦を小刻みに交互にかき鳴らして続けなければなりません。射場さんは、このトレモロ奏法に苦手意識を持っているそうです。「ピックを当てる角度を変えたり、曲によってはあえてゆっくりかき鳴らした方がよかったり。微妙なテクニックが必要です」。射場さんは、上手く演奏ができるように先輩やプロの演奏を聴いて勉強。「それでピックの角度やかき鳴らすスピードがわかるわけではありませんが、自分の演奏の良し悪しを判断することはできます。悪いときはピックの角度やかき鳴らすスピードを変えてみて、また聴き比べてみるといったように日々研究しています」。反対にマンドリンの好きなところは「いろんな曲を演奏できるところ」。マンドリンのための曲もあれば、クラシックからポピュラーソングまで幅広い楽曲を演奏できるのが、マンドリンの魅力です。「以前、演奏会でディズニーの『A Whole New World』を演奏しました。ゆっくりした曲調でマンドリンとも合っていて、私のお気に入りです」と射場さんは笑顔になりました。
マンドリンクラブの大きな行事として年に2回、春と秋に定期演奏会があります。演奏会は三部構成で、一部を3年生、二部と三部を4年生が選曲し演奏をします。選曲の話し合い方法は学年によって異なりますが、射場さんの学年の場合、演奏したい曲を持ち寄り、曲を聴きながら話し合いを行います。「意見が割れることもしょっちゅうです」と射場さんは苦笑い。2017年秋の定期演奏会は60回目の記念の演奏会でもあったため、最後にOB・OGを交えた総勢60名以上の大演奏を奏でました。
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人と接する難しさと先輩への感謝

「先輩によくしてもらった」と何度も語る射場さん。部長を務めることになり、先輩のすごさを実感したと話します。「2年生まで引っ張ってもらう側だった。自分がみんなを引っ張る側になり、どういう風に声かけをしたら伝わるのか悩みます。パートメンバーは私を入れて5人で、そのうち後輩が2人。2人だとなんとかできていると思うのですが、全体をまとめるとなると人数が多いので難しいです。相手の表情から伝わっているかどうか察してあげないといけないと気づき、表情を見るように心がけています」。しかし、人が多くてよかったと思うこともあります。「自分は真面目にしているつもりでも、もっとすごい人が周りにいることに気づかされました」。4年生まで現役ですが、部の中心となって活動するのは3年生。勉強も疎かにはできず、「3年生はとにかく大変。思わず疲れた顔をしているときもありますが、周りに影響されて、こんな顔してちゃダメだ!と気を引き締めます」と射場さんは語ります。きっと周りの部員も頑張り屋の射場さんに影響されていることでしょう。
射場さんは春から4年生。就職活動も始まります。「春の演奏会には出られないかもしれない。それは心残りなんですが、今回は我慢して、就活に集中しようと思います」と張り切る射場さん。今後の目標について、「自分が先輩によくしてもらったように、今度は私が後輩たちに同じように接していけるようになりたいです。そして、社会人になってからも思いやりを持って周りの人に接することのできる人間になりたいです」と語ってくれました。
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(2018年2月21日掲載)
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