熊大生発信!楽しく交通ルールを守る方法[Project Keep Left!]

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「後輩にも経験してほしかった」

image02.jpg 「自転車は左側通行」、頭でわかっていても、つい、右側通行をしてしまったりするもの。それを熊大生を対象にみんながスマートに行えるようにと動いている団体があります。Project Keep Left!です。元々は、社会文化科学研究科2年の新宮奈々花さんが1人で始めた取り組みでした。「政策創造研究センターで毎年11月に行われている公共政策コンペで、2015年、自転車マナーの向上を訴えた企画を提案することにしたんです」。大学の前の通りを自転車で走っていたとき、歩行者も車も多く、怖い思いをしたという新宮さん。「みんなが自転車マナーを守れば、少しは通りやすくなるのかなと思ったんです」。新宮さんは2014年に別のテーマでコンペに参加し、コンペの大変さを体感していました。「1人でするのは大変だと思ったので、研究室の後輩を誘いました(笑)」と新宮さん。しかし、後輩に声をかけたのは、それ以外にも理由がありました。「2014年にコンペに参加して正直面倒くさいこともたくさんありました。でも、はるかにやりがいを強く感じました。それを後輩に、特に学部生時代に経験してほしいと思いました」。その思いから研究室の後輩に声をかけました。誘われた後輩の1人、法学部3年の立薗隆康さんは「“政策”って響きだけでは、堅そうなイメージがあったけれど、自転車といった身近なものを題材にしていたので、自分にも出来そうだと思いました」と当時の気持ちを話してくれました。

「キツイ」「面倒くさい」が「達成感」「やりがい」に変わった

image03.jpg 政策コンペでは、自転車の左側通行を徹底するために、左側通行を呼び掛けるステッカーを自転車に貼ること、そのステッカーは学生によるデザインコンペでデザインを決定することを提案しました。結果、その企画は「市民賞」を受賞しました。「プロを入れず、学生主体であることが評価されたようです。実現性が高い、という声も聞きました」と新宮さん。市民賞を受賞したことで、大きな達成感を感じた、と新宮さんは話します。「企画を考えるにあたって、社会実験も行ったのですが、電柱に標識を貼るにしても、どうしたらいいのかわかりませんでした。いろんな方にお尋ねしたり、警察にも行ったり…。正直辞めたいと思ったことが何度もありました(笑)。でも、それがあったからこそ、大きな達成感を感じられました」。社会文化科学研究科1年の坂田亜弥さんは「良い方法は何か、とみんなで考えたことが評価されたことは、とても嬉しかったです」と受賞時の喜びを語ってくれました。
その後、「是非実現してほしい!」という先生や市の職員からの声の後押しもあり、2015年12月から企画の実動に入りました。デザイン募集のチラシを作成、校内に応募BOXを設置して、年明けから約3週間デザインを募集しました。「毎日見てもBOXは空でした…」と坂田さんは苦笑い。なんと2週間経っても1通も応募がなかったのだとか!法学部4年の伊藤実咲さんは「この活動を始めるまでは、なんでもやるからには絶対成功しなきゃ!と思っていたので、このときは失敗したと思いました」と話しました。みんなでどうしたら解決するのかを考え、友達にお願いをしたり、地道な努力を続けたそうです。その結果、最終応募数は25通に!「失敗してもいいから、とりあえずやってみよう、と考え方が変わりました」と伊藤さん。「25通のうち2通は、メンバーの知り合いでもない人だったんです。私達の活動に興味を持ってくれている意識の高い人がいることがわかって嬉しかったです」と新宮さんもニコリ。

ステッカーから広がる夢と身に付く力

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2月1日~10日で投票を行い、デザインが決定しました。今後は、このデザインのステッカーを作成し、4月の入学式に配布予定です。坂田さんは「実際にシールが出来上がって、それを貼っている自転車を見たら嬉しいだろうな~」と嬉しそうに話します。法学部3年の渡辺健太さんは「ステッカーを貼るキャンペーンをしたり、ステッカーにセンサーを組み込んで、アプリと連動させて、左側通行するとポイントが溜まっていくような仕組みを作ったり…そういう展開が出来ればいいなと考えています」と、今後の展開を話してくれました。「他にも、左側通行で行くライドイベントや、自転車屋さんとコラボしてステッカーを貼っている人は割引できる、といったことも出来たらと話しています」と坂田さん。
活動を始めて、ほとんど全員が「積極的になった」と話します。「社会人の方と関わる機会も多く、その積極性が就職活動にも生かされています」と立薗さん。研究室の壁を超え、OB訪問も積極的に行っているそうです。渡辺さんも「自分の意見を伝えられなかったけれど、伝えようと意識するようになりました」と話します。
今後の目標は、「知名度アップ」と「メンバーを増やすこと」。新宮さんは「10年くらいは続いてほしいですね」と、後輩を見ながらニヤリと笑いました。まだスタートしたばかり、可能性は大きく広がります。
(2016年3月23日掲載)
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