大切な命を守るために広めたい! [K発プロジェクト]

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バラバラだった活動が1つにまとまり、誕生

image02.jpg 熊本大学には、若い女性の子宮頸がん検診受診率の向上に向けた啓発活動を行う「K発プロジェクト」というグループがあります。今回、11月1日~3日に開催された第4回紫熊祭で啓発活動を行うために、K発プロジェクトの7人が集まり、「女と男のプロジェクト」を立ち上げました。
活動を始めたきっかけは「HIGOプログラムの企業セミナーです」とプロジェクトメンバーの医学教育部博士課程2年・穴井茜さんは教えてくれました。「HIGOプログラム」とは、大学院の博士課程のプログラムで、医学・薬学等を基盤とする「健康生命科学」の知識を持ちつつ、九州・アジアの社会的ニーズを理解し、地域と世界を結び付けて、グローカル(グローバル+ローカル)に様々な課題を解決できる人材を育成するプログラムです。昨年、その中の企業セミナーで、KKTくまもと県民テレビの村上美香アナウンサーを講師に、子宮頸がんを取り巻く環境や課題についての講演が開かれました。その講演をきっかけに、子宮頸がんについて関心を持ち、検診受診率向上の啓発活動を行いたい、と思ったそうです。大学病院や政策創造研究センターの河村洋子准教授等、大学のいろんなところで行っていた啓発活動を1つにまとめて「K発プロジェクト」は誕生しました。「女と男のプロジェクト」の代表を務める薬学部博士後期課程2年・弘津辰徳さんも、村上美香アナウンサーの講演がきっかけで活動を始めた1人。「講演を聞くまで自分には関係ない話だと思っていました。でも、男性も関与していることがわかって、男性にも出来ることを発信していきたいと思いました」。

「検診をもっとポジティブに考えて」

image03.jpg 紫熊祭では、子宮頸がんを題材にした安田美沙子主演映画『いのちのコール』の上映会と講演会を行いました。「当日は検診車にも来てもらって、大学内で検診が受けられるようにしました。昨年より受診者が増えました」と弘津さん。その結果について穴井さんは「友達と一緒に受けられたことや、受診する先生に上映会後に『私が受診します』と出て頂いたことが、安心感につながったのだと思います」と話してくれました。また、後日、「検診ツアー」も実施を予定しています。検診ツアー担当の薬学部1年・西口采里さんは「検診もそうだけど、産婦人科にはなかなか行きづらいもの。みんなで一緒に病院に行って、みんなで検診を受けるという機会を設けようと思っています。ツアーには男性も参加OKなので、カップルで参加してもらっても構いません」と話します。
実は、K発プロジェクトのメンバーの中にも検診を受けたことがない人がたくさんいるそう。「今回の活動をきっかけに検診を受けたり、保健学科の女子学生みんなで検診に行こうとしているんですよ」と穴井さん。さらに「授業で習ったりして知識があるから、検診を受けるのが面倒だと思っちゃうんですよね」と自身の正直な気持ちを教えてくれました。検診に行かないのは、検診に対して恐怖心を感じている人もいるからだ、という話も出てきました。「検診を受けて、何も無ければそれはよかったねってなるし、見つかれば、早く見つかって治療にかかれてよかったねってなります。検診って本来はポジティブなものなんですよ」と、薬学教育部博士後期課程2年・脇田有梨子さんは語ります。もっと検診をポジティブなものにしたい、それがメンバーの思いです。
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「男性も、子宮頸がんのことを知ってほしい!」

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子宮頸がんは女性特有の病気です。それでは、男性はどうしたらよいのでしょう。「子宮頸がんをまず知ってもらいたい」と弘津さんは言います。「子宮頸がん検診の啓発イベントにも参加してもらって、正しい知識を身につけてもらいたいです」。女性陣からも声が上がります。「男友達とか彼氏が子宮頸がんのことをわかっていると安心する」。「でも、『検診に行きなよ』って言われると嫌だけど、『一緒について行こうか?』って言われると嬉しいかも」。弘津さんは女性陣の意見を頷きながら聞いていました。
K発プロジェクトでは、学内での子宮頸がんの認知度調査を行ったり、ラジオドラマを作ったり、SKK20ActというPRアイドルグループを結成したりしてがん検診の啓発を行っています。「でも、こういうのって地道な継続が大切だと思っています」と脇田さん。今後はアンケート調査を行い、自分達の啓発活動が実際の受診率につながっているか効果測定を行う予定です。検診ツアーも成功したら、2~3か月に1回くらいのペースでツアーを組んでいけるようにしたいと話してくれました。

(2015年12月21日掲載) image06.jpg
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