人間性を磨き、常勝チームを目指す

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ピンチを乗り越え一致団結

image_02-1.jpg 熊大医学部の医学科と保健学科の学生たちが切磋琢磨する「熊本大学医学部硬式テニス部」(以下、テニス部)。かつて男子が「九州・山口医科学生体育大会」で6連覇、「西日本医科学生総合体育大会」3連覇、女子も「九州・山口医科学生体育大会」で3連覇するという輝かしい戦績を掲げ、“勝つ!強い部活”を目指して日々練習に励んでいます。

元副主将として部を率いた医学部6年・井上博貴さんは、後任の幹部たちを見守り、後輩の育成に力を注いできました。「部員は現在、男女合わせて46人。今年度は1年生がたくさん入部してくれました。大学からテニスを始めた人、中学・高校と続けてきた人などさまざまで、力の差はありますが、どんなレベルの人にもきちんと教えることは、上級生にとって格好の

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練習の場です。

相手の力に合わせて打ち返すたびに、技術を上げることにつながるんですよ」。男女一緒に練習を行う理由も、同じようにプラスの部分が多いからだと語る井上さん。

医学部テニス部には、「幹部やレギュラー選手はテニスが強いだけでなく、人間性も高くなければならない」という代々受け継いできた思いがあります。挨拶はもちろん、ボール拾いや声出しなどの厳しい練習を通して、人間性を磨いていくことが大きな目的の一つです。

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「厳しすぎるのではないかと悩んだこともありますし、部員と衝突することもありました。数年前には、10人ほどの部員が一斉に退部するという事態が起きてしまい、正直、ショックでしたね。当時のレギュラーが抜けたことで、部の総力が変わってしまうような出来事でした。でもそんなことがあっても残ってくれた今の部員は、皆上昇志向が高い子ばかり。皆で力を合わせて、前へ進んで来れたことが、うれしいですね」。

「九州・山口医科学生体育大会」2連覇!

image_03.jpg 多くの退部者が出たために、新主将を務める3年が不在となったテニス部。そこで自ら手を上げてくれたのが、医学部4年・村田夏実さんでした。2年のときから2年間の長きにわたり部をけん引し、目標である「九州・山口医科学生体育大会」(通称:九・山)で第52回・第53回と2連覇を成し遂げたのです。「1年間の全てをこの大会に賭けたといっていいほど、“九・山”に真摯に向き合ってきました。第52回大会の時は、引退した先輩たちの穴をどう埋めるか、どうしたら優勝できるかをテーマに試行錯誤の毎日。連覇へのプレッシャーもありますが、部員全体の意識を高め、常に緊張感を持たせることに力を注いできました」と村田さんは語ります。

レギュラーの練習を支える下級生や試合に出ることができない部員たちに、村田さんは心を留めて過ごしてきました。「大切なのは優勝することだけでなく、全員で戦うこと。一人一人が持つ力と良さ、弱点などに目を向け、総和以上の力を引き出すことが目標ですね。試合に出られない部員には、サポートすることの意義や感謝を伝え、そして自分自身は周囲の人に“応援してもらえる”人間性を身に着けられるような振る舞いをと、心掛けてきました」。

主将の役割には、テニスに対する姿勢を身を持ってみんなに伝えることであり、そのためには誰よりも練習して、部員たちをけん引することが必要です。また、下級生と上級生をつなぎ、さらにOB・OGとのパイプ役をも果たすことが求められます。主将としての村田さんを見守ってきた井上さんは、「下級生を教育する立場になると人のことを考える力も身に着きます。また下級生は自ずと上級生から吸収しようとする。テニス部は、そういう“力”を育む場でありたいですね」と語ります。

“個”の総力が生む“全員テニス”

image_04.jpg 第53回“九・山”で2連覇を果たした後に、新主将として部を引き継いだのは、医学部3年・柏田彩圭(あやか)さん。村田前主将の思いを引き継ごうと、これまでやってきました。「村田さんは部員一人一人に声を掛けたり、プレーを通して皆を引っ張って来られたんですが、私はそういうことが苦手でした。村田さんのようにできるのか、部員たちはついてきてくれるのか、不安はあります。今はまだ、引退した先輩たちの影響の方が大きくて、ハンデがありますが、人数が少ないことを逆に生かして、団結力のある部にしたいですね」。

そんな柏田さんの決意を先輩である井上さんは頼もしく思いつつ、静かに見守っています。「テニスの魅力は人間性も鍛えるスポーツであること。また、OBの“先生”たちの存在も大きいですね。“常勝チームであれ”という思いは今も同じ。部員と同じように一喜一憂し、時には本気で怒ってくれるんです。卒業後もそんな風に向き合ってくださる先輩たちのテニスに対する姿勢は、学ぶべきものが多く、本当に感謝しています」。4~6年という長い時間を共に過ごすからこそ、卒業しても絶えることなく、そのネットワークは力強く広がっていくのでしょう。

一人一人が自分自身と戦い、“個の力”を高めていき、“全員テニス”で優勝を手にするために、ガンバレ、医学部テニス部!

(2014年9月26日掲載)

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