未来を担う防災リーダーのタマゴ「熊助組」
自分たちに何ができるのか?自問自答の日々
2007年6月に結成し、今年で5年目を迎える「熊助組」。自然災害に学生による支援活動などを通して社会に貢献し、地域・大学・学生相互に有益な組織的枠組みを作ることを活動目的に掲げる、熊本大生の学生災害復旧支援団体です。メンバーは、工学部および自然科学研究科の有志20名。水害の危険性や土砂災害のメカニズムの講義をきっかけに、「現場に出て社会に貢献したい!」という思いを抱き、「熊助組の門をたたいたと話すのは5代目リーダーを務める古賀圭一郎さん。その古賀さんを筆頭に団員は学内や地域の防災リーダーになるべく、ミーティングや県内で実施される講習会や防災訓練に参加し、勉強を続けています。
「防災とは人命はもちろん、みんなの財産を守ること。災害が起きてからではなく発生前に被害を最小限に抑えるための準備をすることが大切です。そのためには日ごろから防災意識を高めることが必要なんですよ。熊本市各地域の自主防災組織の結成率は全国でも低いのが現状です。静岡県では組織率100%ですが、熊本県は60%程度に留まっています。一人でも多く、防災意識向上を図ることが当面の課題です」と語る古賀さん。「熊助組」として自分たちに何ができるのか、メンバーは自問自答の日々を送っています。
「東日本大震災」から“自助”を学ぶ
東北地方に未曾有の被害をもたらした「東日本大震災」で、自然に対して改めて畏怖の念を抱いたと語る「熊助組」のメンバーたち。
遠藤洋平さんは「自分たちが日ごろ想定していた災害は非常に小さかった。そして自然災害から逃れることはできないということを目の当たりにしました」と、その思いを振り返ります。
「震災発生時、ある中学校では、停電により避難誘導ができないことを察知した生徒たちが自主的に運動場に集まり、途中で出くわした小学生を誘導して高台へ移動しました。しかし、その高台にも危険が迫ってきた。その時、とっさの判断でさらに高い場所に避難したそうです。最初に避難した高台は浸水してしまい、一つ判断を誤っていたら津波に流されていたでしょう。
その中学校は日ごろから防災意識を高める活動をしていたと聞きました。それが防災に大切な取り組みの一つ“自助”なんです。日頃から避難訓練などを行い、彼らの防災意識を高めていたことが今回の行動につながった。私たちにとってそれは大きな学びでした。」
自らの防災意識を向上。そして学内や地域へ
「『熊助組』の一員として、すぐに何かできるかと言われればそれは難しい。けれど、今少しずつ取り組んでいることが10年後、20年後の未来につながれば」と遠藤さん。「熊助組」の活動を通して自らが防災リーダーとなるだけの知識を得て訓練を積むことで、いつか地域の人々の防災意識向上をけん引できることを目指します。
「5代目リーダーとしての目標は『災害前や災害時に柔軟に動くことができる人材をどれだけ増やすことができるか』。熊本でも1953年に白川が氾濫し、本学学生6人も犠牲となった『白川大水害』が起きています。こうした歴史を知り、自らの防災について考えることが大切。自分の住む地域が浸水するかどうかなど過去の事実を受け止めて、今後の対策を考えることが防災の第一歩につながります。まずは学内や地域に防災への取り組みの必要性を伝え、意識向上を図ることですね」と、古賀さんは熱く語ります。
学内、ひいては地域の防災リーダーとなるべく、「熊助組」はこれまで以上に高い志を持って歩んでいきます。
(2011年12月7日掲載)
information
- 平成23年度 ボランティア個人登録者研修会 ~今、私達にできること~
ボランティア初心者の方を対象に、ボランティアについて学んでもらい、実践していただくための研修会です。一般の方も参加できます(ただし、先着20名)。
今回、「熊助組」も講演をすることになりました!一緒に学びましょう!
講演名 | 「平成23年度 ボランティア個人登録者研修会~ 今、私たちにできること~」 |
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日時 | 2012年1月28日(土)10:00~13:10 |
場所 | 熊本市市民活動支援センター・あいぽーと (熊本市総合保健福祉センターウェルパルくまもと1階) |
お申し込み | 熊本市市民活動支援センター・あいぽーと |
電話 | 096-366-0168 |
shiminkyoudou@city.kumamoto.lg.jp |
マーケティング推進部 広報戦略ユニット
096-342-3122