―未来の自分、大切な人を守るために― HPVワクチンを正しく知ろう!

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熊本大学では10月から女子学生を対象としたHPVワクチンの接種が実施されています。皆さんはHPVワクチンについてどのくらい知っているでしょうか?「HPVワクチンって何?」「よく分からないけど接種した方がいいの?」などといった疑問を持つ方も多いと思います。
そんな皆さんの疑問を解消すべく、熊本市内の婦人科クリニック「フォーシーズンズレディースクリニック」の田畑院長にHPVワクチンについてお話を伺ってきました。これから接種の予定がある方、接種を悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください!

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HPVワクチンとは?

田畑院長:「そもそも、HPVというものは何か知っていますか?」

学生広報スタッフ:「正直、よくわからないです…」

田畑院長:「HPVはヒトパピローマウイルスと言ってね、子宮頸がんの原因ウイルスと言われています。性交渉によって男性から女性に感染する場合が多く、その感染が持続的に続くと10年、20年経って子宮頸がんになっていってしまうのです。」

学生広報スタッフ:「なるほど、HPVはウイルスの名前なのですね。がんを引き起こすウイルスって、怖いなぁ…」

田畑院長:「HPVワクチンというのはそのウイルスが細胞に感染する最初の段階をブロックする、つまり感染することを防ぐワクチンです。接種すると子宮頸がん予防に関して非常に高い効果を得られると言われています。」

ワクチンの仕組みや特徴を知ることは接種後の自分の状態を把握しておくためにも大切なことですね!

キャッチアップ接種って?

HPVワクチンの接種ではキャッチアップ接種という言葉が使われることが多くあります。
この言葉、聞いたことがない人も沢山いるのではないでしょうか。私もそのうちの一人でした。

学生広報スタッフ:「キャッチアップ接種とはどのようなものでしょうか?」

田畑院長:「キャッチアップ、というのは英語のcatch upで取り戻すとか、追いつくという意味なんです。以前、ある一定の期間にHPVワクチンの接種が行われていたのですが、ワクチン接種後の副反応が多数報告されて厚生労働省が接種を推奨しなくなってしまったのです。
そこから約8年間ワクチンが打てなかった時期があって、ワクチンが再び推奨されるようになった今、本来あるはずだった定期接種の機会を失ってしまった人に向けた無料のワクチン接種のことをキャッチアップ接種と言うのですよ。」

現在全国的に実施されているこのキャッチアップ接種では、ワクチン接種が中止された期間に該当する1997年(平成9年度)~2007年(平成18年度)生まれの女性が対象とされており、キャッチアップ接種期間終了20253月までにワクチンを計3回、受けることができます。

接種時期を過ぎても効果はある?

学生広報スタッフ:「接種の対象年齢を過ぎていてもワクチンの効果はあるのでしょうか?」

田畑院長:「あると言われています。免疫学的には16歳までに接種するのが抗体を作りやすいのですが、性交渉前では勿論、性交渉後でもワクチンでウイルスの感染を防ぐことができます。なので、接種時期を過ぎたからと言って効果がないということはありません。」

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海外のHPVワクチン接種状況

HPVワクチンは日本のみならず世界で接種が進められているワクチンです。世界でどのくらいの人が接種をしているのかも、気になりますよね。 

学生広報スタッフ:「海外のHPVワクチン接種状況を教えてください。」

田畑院長:「海外では、メキシコは女性の95%以上の人が接種しているというデータがありますし、オーストラリアは十年ほど前から男性への接種も行われています。なので、一部の国では子宮頸がんの予防だけでなく、その撲滅が数年後には実現すると言われています。」

これら2つの国だけでなく、先進国を中心に接種率は高くなっています。

田畑院長:「また、日本は先進国の中では特に接種率が低く、人口全体の0.3%しか接種が進んでいないのが現状です。」

学生広報スタッフ:「えっ、たったの0.3%!?」

田畑院長:「接種が進んでいる国では徐々に子宮頸がんの発症率が下がってきていますが、日本では2040代女性の子宮頸がん発症率が年々上昇していて、それはワクチン接種率の低さが原因とされています。」


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接種したいけどやっぱり不安も・・・

接種がなかなか進まない理由として、やはり副反応への不安が大きいのではないでしょうか。私もワクチン接種をしようとは思いつつ、副反応が少し気になってしまいます… 

学生広報スタッフ:「副反応が心配なのですが、どのような副反応がありますか?」

田畑院長:「神経症状など様々な症状が報告されていますが、HPVワクチンだけの特異的な副反応の症状が起こったことはありません。副反応は他のワクチンでも起こりうることですが、その症状を病院で治療するシステムも整っています。」

確かに、副反応はHPVワクチンに限った話ではないですね。ワクチン接種後のケアまでしっかりと受けられるのであれば安心します。

田畑院長:「私たちにとって子宮頸がんを予防することは大事、でもワクチンの接種で副反応が出てしまった方が幸せに過ごせるようケアをするということも医者として並行してやっていかなければならないと思っています。」

未来の自分、大切な人のために

今回、婦人科医の田畑院長にお話を伺いました。HPVワクチンについて理解は深まったでしょうか。子宮頸がんはがんの中でも比較的若い世代に発症する病気です。10年後、20年後の自分のため、また、大切な人が子宮頸がんになるリスクを減らすため、一度HPVワクチンの接種を考えてみませんか?

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                                               (2023年12月5日掲載)

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総務課 広報戦略室

096-342-3119