明治時代のリーダーたちが学んだ建物で学ぶ 熊本と世界の架け橋になる人に Leaders in Change - Meiji Japan and the Fifth High School

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本学黒髪キャンパス内の重要文化財「五高記念館」で授業

健児くん(以下◆):熊本大学黒髪キャンパス内にある重要文化財「五高記念館」で待ち合わせ。晴天の明るい日差しを感じる日でした。

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◆:「五高記念館」の一室で授業開始です。授業で使う言語はすべて英語。今回受講した学生のほとんどは学部1年次生。日本にルーツがあって海外で暮らしてきた人、海外にルーツがあって熊本で育ってきた人や交換留学生など多様な文化的背景を持つ学生が学びます。この日は、第五高等中学校・第五高等学校(以下「五高」)で行われたリーダー育成やエリート教育に関する授業でした。

  
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明治時代のリーダーたちが学んだ建物を見学

◆:授業の後半は、五高記念館の藤本研究員の案内により五高記念館を見学します。
学生たちは今日初めて五高記念館に入りました。第五高等学校時代の復元模型や復原教室、古い黒板やかつての階段教室の痕跡が残る場所など、当時の姿を伝える展示や空間に興味津々です。


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自分たちの肌で感じ、確かな専門性を持つ

授業担当教員の小池ウルスラ教授に聞きました。

◆:どのような授業を行っているか教えてください。

小池先生:明治時代のリーダーシップやそれに関する教育、五高の歴史と精神を理解することを目的としています。主にGLCの学生が受講しますが、英語による教養教育科目
(Multidisciplinary Studies)として開講しているため、それ以外の学生も受講することができます。2016(平成28)年度からこの授業を行っており、全8回の授業のうち1回を五高記念館で行います。「平成28年熊本地震」に伴う五高記念館の復旧が完了した、2022(令和4)年からまた五高記念館で授業を行うことができるようになりました。

◆:なぜ五高記念館で授業を行うのでしょうか。

小池先生:重要文化財である五高記念館は、熊本大学の前身校の一つ、五高の建物であり、日本の新たな時代を切り拓いてきた人々が切磋琢磨して学んできた場所です。それを自分たちの肌で感じてほしいのです。今回受講した学生たちからも「実際に過去が存在していたことが分かりました」という感想がありました。
オンライン授業には遠隔地の人々と効率的に話せて知識を得られるなどのメリットがありますが、その場の空気や雰囲気まで感じることはできません。授業で得られる知識だけでなく、このような歴史や過去を肌で感じることができれば、ますます学ぶ意欲がわいてくると考えています。また、私自身、歴史が好きということもあるかもしれません。日本近代が専門で、チューリッヒ大学の日本学科で学位を取得、2回日本に留学しました。それから、五高記念館のガイド養成に関する講座を受けたこともあるんですよ。

◆:授業では、どのようなことを大切にしていますか。

小池先生:この授業は多様な文化的背景を持つ学生が学びます。そのため、教員がただ一方的に教えるのではなく、学生たちが互いに教え合い、学び合うこと、相手の国や文化に興味を持つ動機を持ってくれることを心がけています。例えば、「英語を勉強しなさい。」と一方的に言っても学生は学びません。学生自身が英語を学ぶべき、学びたい理由を得れば、行動が変わります。

◆:これからグローバルリーダーコースで学びたい人たちにメッセージをお願いします。

小池先生:大学では高い専門性を学び、身に付けることが大切だと考えています。もし、単に英語を学び、国際交流するだけであれば、大学で行う必要はありません。このグローバルリーダーコースの学生は、海外留学やインターンシップ等を通して、グローバルに活躍できる資質能力を身に付けますが、一方で、文学部、法学部、理学部及び工学部のいずれかの学部に所属して専門科目を学びます。このことがグローバルリーダーコースの特長であり、学生たちの大きな武器になります。大学だからこそ身に付けられる確かな専門性を武器に、過去、現在、未来を繋ぎ、ここ熊本をはじめとした日本と世界の架け橋になる人となってほしいですね。


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▼グローバルリーダーコース(GLC)について詳しく知りたい方はこちら
    https://www.c3.kumamoto-u.ac.jp/GLC/

▼『熊大通信』91号(2024年1月発行)では、今回の小池ウルスラ教授の話とも関連する「教育」をテーマにした特集を行っています。ぜひご覧ください。
   https://www.kumamoto-u.ac.jp/daigakujouhou/kouhou/kouhoushi/kumatu/vol-91
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(2024年1月25日掲載)

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総務課 広報戦略室

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