年頭所感

新年、明けましておめでとうございます。 harada2015.jpg
皆様には、年末年始をご家族やご友人等と共に和やかに、またゆっくりお過ごしいただけたでしょうか。
今年もどうぞよろしくお願いします。

昨年の1年間は、私にとって多くのことが起こった1年間でした。学内的には4月に学長に就任、所信表明し、それに基づき第3期中期目標期間における熊本大学のビジョン“「くまもと」から世界に輝く研究拠点大学”を設定しました。また同時に第3期中期目標中期計画(案)と概算要求基準(案)を策定しました。この間、組織評価から大学機関別認証評価の受審まで無事終えることができました。
学外では政界、官界、財界の方々と多くの接触を持たせていただきました。特に大学運営費交付金の確保に向けて国会議員の皆さんへお願いに回ったことは、国家財政の歳出削減の壁は大きいと思い知らされながらも、貴重な体験でした。不安視する向きが多いものの、これからの予算の確保という意味ではアベノミクスの成功を願うばかりです。

平成28年、申年の今年、熊本大学では3つの大きな事柄が待ち構えています。

  1. 第3期中期目標中期計画の始まりです。
  2. 組織評価、認証評価を経て6年間の法人評価が下されます。
  3. 夏目漱石、没後百年、来熊(正確には五高赴任)120年の年です。
  1. 第3期中期目標中期計画の始まりの年 にあたり、今後の計画の着実な実行に向けて、学長リーダーシップを発揮し、その基盤を確実に作り上げていきたいと思います。勿論、第3期中期目標中期計画の実施は、重点支援を基にした概算要求事項の予算と密接に関連しています。残念ながら、平成28年度概算内示が昨年暮れにあり、昨秋の文科省内示の予算案からかなり減額されてしまいました。今年は早々から如何にうまく予算を組み立てていくか作戦を練る必要があります。しかしながら、「世界レベルの研究拠点の充実と先端的新分野の開拓による世界への挑戦」という研究戦略のため、まず国際先端医学研究機構に引き続く国際先端科学技術研究機構を設置します。
    さらに、発生医学やパルスパワー科学の共同研究拠点化、エイズやマグネシウム合金の研究支援など可能な限り行う必要があると考えます。また、教育戦略「旧制第五高等学校以来の剛毅木訥の気風を受け継ぎ、我が国の地域社会や国際社会の中でグローバルな視野で思考し、果敢に行動できる、知力と人間力(胆力)を有する人物を作る」では、大学教育統括管理センターの設置とグローバル教育カレッジを最大限に活用し、教養教育の改革と高大接続モデル(入試改革、教育の質の転換)の構築を行います。
    最後に「熊本大学の特色を活かした“くまもと”の4つの豊かさ(経済的豊かさ、環境的豊かさ、文化的豊かさ、知的豊かさ)への貢献」では、今年は昨年設置した「くまもと地方産業創生センター」を最大限に活用しCOC+の実施を行います。
  2. 法人評価について
    熊本大学の大学機関別認証評価はこの春にも指摘事項も含めて確定される予定です。その後は、組織評価としての自己評価に引き続き、第2期中期目標期間中の6年間の法人評価を受け、今後の大学運営に活かさなければなりません。引き続き、皆様のご理解とご協力をよろしくお願いたします。
  3. 漱石来熊120年
    今年は漱石没後百年にあたり様々な企画が全国で行われるようです。熊本では、来熊120年にあたり、特別な意味合いがあると思います。漱石が熊本へ来たのは、第五高等学校へ英語の教師として赴任したのであり、熊本大学では特に大きな意義を感じざるをえません。現在、五高記念館に依頼し、漱石の五高在職中の記念誌を作成していただいているところです。

本年も大学予算の厳しい折、熊本大学は様々な分野へ前途有為な人材を輩出すべく全力を尽くしていく所存です。
どうか本年もご協力、ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。


平成28年1月4日
熊本大学長 原田信志

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