日本のサブカルチャーをゆる~く語りましょう![熊大漫研こんぺいとう]

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漫画に限らず、サブカルチャーを語り合います

 国内だけでなく、世界中から愛されている日本の漫画。今や日本を代表する文化の一つになっています。熊本大学は2019年春、文学部に漫画やアニメなどを含む文化資源を研究する現代文化資源学コースを設立しました。今、熊本大学では漫画がアツイ!と思いきや、熊大漫研こんぺいとうでは、40年以上も前から漫画について部員同士が語り合ってきたのです。今回は会長を務める工学部3年の辻村初葉(そよう)さんにお話を伺いました。

 こんぺいとうの創設は1975年。当時はプロの漫画家を目指す集団だったそうですが、今は雰囲気が異なります。「『漫研』と掲げてはいますが、ゲームやアニメなど、いわゆるサブカルチャーが好きな人たちが集まって、絵を描いたり、好きな作品について語り合ったりしています」。こんぺいとうの活動は火曜日と金曜日の週2回。主な活動は、年に数回部内誌『FORUS(フォルス)』と部外誌『FORYOU(フォーユー)』の制作をし、紫熊祭などで展示することです。紫熊祭では他に、パネル展示、カレンダーやポストカードなどオリジナル商品の販売も行います。

 『FORUS』は最新号が176号となる歴史ある部内誌です。「『FORUS』は部員で出し合ったテーマの中から多数決で3つのテーマを選び、漫画を制作します。最新号のテーマは『炎』『大正ロマン』『雨』でした。『大正ロマン』のような過去にも扱っている王道テーマもあれば、今流行りのものからテーマを決めることもあります」。
 

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普段は個人活動を推奨、紫熊祭は団体で準備

 こんぺいとうの中には個人的にコミケと呼ばれる同人誌即売会に出品する人もいるそうです。「コミケに部として参加することはありません。団体で参加しても、好きなものが異なるので、結局個人行動になってしまうからです(笑)。日々の活動もそうですが、個人活動を推奨しているのが他の部活とは違う特徴です」と話す辻村さん。しかし、紫熊祭に向けての準備は団体行動だと語ります。

 紫熊祭に向けての本格的な準備は夏休み明けからですが、辻村さんは夏休みに入る前から準備に対する意識を持つように部員に呼びかけを行ってきたそうです。「準備に対する意識というのは、印刷に使う紙の在庫を普段から管理することやプリンターを使えるようになること。特に入部したての学生はパソコンからデータをプリントアウトすることができない人が多いんです。だから、事前に聞いたり、調べたりして必要な知識を身に付けておくようにと呼びかけました」。体育会系の部活と異なり、顧問や先輩からの厳しい指導が日々飛び交うわけではないので、どうしても自発的に動く学生が少ないと感じている辻村さんは、「知らないことを知らないで済ませるのでなく、自ら動いて学んでいくことが大切だと思っています。そこで得た知識だけでなく、その行動もその人自身の収穫になるはずです」と語気を強めます。元々心配性だと語る辻村さん。1年生のころから、あらゆることに対して「これで大丈夫だろうか?」と気にし続けてきたそうです。「気になることがたくさんあって、それに備えていた分、そのノウハウが活かせたと思っています。それでも、『これで大丈夫かな?』と毎日心配していましたが…(笑)」。紫熊祭の展示には、小学校低学年ぐらいの小さな子どもから年配の方まで幅広い年齢層の方が訪れ、無料配布シールもなくなるほどの盛況でした。「紫熊祭が終わったら、役員交代になるので、自分のノウハウを後輩たちに引き継いで、次の会長にはもっと気楽に取り組んでもらいたいと思っています」。
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「いいね!」と褒め合えるフレンドリーな関係が築けている

 紫熊祭では来場者に作品についてのアンケートを採り、集計後、各作者に感想が返されます。辻村さんは、その感想を読むとき、やりがいを感じると話します。「自分の行動にレスポンスが返ってくるのが嬉しい。作品づくり中に部員に『いいね!』と声をかけてもらうのも励みになります。部内でも普段からみんなが『いいね!』と褒め合える雰囲気ができています。学年関係なく、フレンドリーな関係が築けていると思います」。OB・OGとの交流も多いそうで、そのときは、タテやヨコの関係ではなく、好きなジャンル同士でつながるという漫画研究会らしさも見られます。しかし、目上の人にはきちんと敬語を使うなど、礼節を守り、良い線引きができているのが、こんぺいとうの良いところだと辻村さんは語ります。

 現在、部員は30名。大学で初めて漫画研究会に入る人も多いそうです。「サブカルチャーが好きな皆さん、一緒にゆるく語り合いましょう」。

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 (2019年12月5日掲載)

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総務課 広報戦略室

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