留学生のサポートをしながら国際交流[留学生チューター]
国際交流がしたくてチューターに応募
熊本大学には日本に来たばかりで日本語や日本への知識がまだ十分でない留学生を支援するチューター制度があります。現在のチューター数は約20名。今回はチューター経験がある教育学部2年の松元詩乃さんと文学部2年のダウラン・アリフさんにお話を伺いました。2019年3月、大学からチューター募集の一斉メールが届き、手を挙げた2人。応募のきっかけは共に「国際交流をしたいと思ったから」。松元さんは子どものころ幼稚園で開かれた英語教室のテキストに影響を受けました。「アメリカの文化や暮らしがテーマのテキストで、国によって生活が異なることに興味を持ちました」と松元さん。ダウランさんは「将来は、文化人類学を専攻にしようと考えています。文化人類学ではいろんな文化を持つ人たちを理解しなければなりません。私は交換留学生ではなく、留学生の友達が少ないので、チューターになることでいろんな国の人から文化や考え方を教えてもらいたいと思いました。また、私自身も1年生のときにチューター支援を受けていたのも応募のきっかけです」と話してくれました。
熊本での生活や日本語学習のサポートが仕事
松元さんは中国と韓国からの留学生を、ダウランさんはカザフスタンからの留学生を担当しています。チューターの支援内容は人によってさまざまですが、2人は主に日常生活の支援を行っています。「留学生の銀行口座開設と熊本に住むための手続きの手伝いで銀行と市役所に付き添いました。不安もありましたが、大学の方から銀行や市役所に留学生が訪れる旨の連絡がいっていたようで職員の方も親切に対応していただけました」と松元さん。「他に大学の施設の案内や大学周辺のお店の案内も行いました」。その他に、ダウランさんは郵便局での支払いもお手伝い。「書類や説明書は漢字も多いので英語に翻訳して教えます。自転車でサイクリングしながら外国の食材があるお店や、家具や日用品が買えるお店を紹介しました」。ダウランさんは学習支援も行っています。「留学生との会話は英語になりがちですが、なるべく日本語で話すようにお互い心がけています。下通にある書店の地下に外国人用の日本語教材が置いてあることを紹介しました。早速テキストを買って勉強しているみたいですよ。他にも留学生からの提案で、雑誌を見ながら留学生が質問して私がそれに答えるという勉強を毎週水曜日にしています」と話します。ダウランさん自身も「チューターに日本語のレポートの文法や漢字のチェックをしてもらったり、文化人類学の専門書や入門書を教えてもらいました。生活面でも、病院に行こうと思ったとき大学の保健センターに連れていってもらって、その後小さなクリニックにかかった方がいいよと教えてもらいました」とさまざまな支援を受けたそうです。日本語のレベルも考え方もさまざま、だから面白い
留学生に大学生活を楽しんでもらおうと、積極的に遊びに誘ったり、日本文化を体験しながら教えているというダウランさん。「自分の経験もあって、言葉だけでは理解が足りないと考えています。担当している留学生からは『いろんな所に連れて行ってくれてありがとう。嬉しかったよ』と言われて私も嬉しくなりました」。一方松元さんは、留学生から連絡をもらうことが多く「食事に誘われたこともありますし、『どこで自転車を買ったらいいか?』と頼ってくれたこともあって嬉しかったですね」と話します。チューター活動を通して松元さんは「一人ひとりと向き合う姿勢が大切だと気づいた」と話します。「私の担当する留学生は、1人は日本語が堪能で、1人はある程度理解はできるものの、まだ上手く話すことができない人でした。会話するのに時間がかかることもありましたが、ゆっくり話したり、途中で伝えることを諦めたりせずに根気強く向き合うように意識しました。その姿勢っていうのは今後いろんな人と付き合う中で大切なことではないかと気づきました」。ダウランさんは「刺激を受けて視野が広がった」と話します。「熊大入学前に1年半福岡の日本語学校に通っていました。すっかり日本の生活にも慣れてしまったので、当たり前だと思うことが増えました。留学生と接すると考え方の違いが出てくるので刺激になります」。2人とも「チューターはいろんな人と関われて楽しい活動です」と笑顔を見せました。
留学を目指している方、国際交流に興味のある学生さん、10月入学予定の留学生のチューターを募集中です。(締切7月26日)
興味のある方はこちら
(2019年6月26日掲載)