学長声明(東日本大震災5周年にあたって)

東日本大震災では、東北地方に甚大な被害を及ぼし、多くの尊い命が失われました。改めまして、犠牲になられた方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、被災地の皆様に心からお見舞い申し上げます。

震災後5年を迎え、被災地は、今もなお深い悲しみと多くの困難の只中にあります。
本学では、これまで被災地への医師等派遣による医療支援に加え、本学の特色ある専門分野を活かした復興支援活動として、「世界最先端観測機器による気仙沼湾の海底調査」を実施し、湾内に点在した大型瓦礫の位置を特定することなどにより、早急な瓦礫撤去と港湾復興に貢献してまいりました。さらに、「パルスパワー技術による放射性汚染コンクリートの除染と減容化」、「被災地沿岸における化学汚染の経年変動に関する環境調査及び微細気泡による二枚貝の汚染物質浄化に関する技術開発」、「塩害の土を漁礁ブロックに再利用することによる塩害地域の早期再生支援」、「被災地における人間関係の葛藤と対立の解決に向けた対話支援」等の復興支援に取り組んでおります。

これからも被災地に変わることのない思いを込め、人と人との“絆”を大切にし、被災地の一日も早い復興に向けて、現地の皆様と心を一つにあらゆる可能な支援活動に取り組んでいく所存です。
また、国立大学の使命として、東日本大震災から得た教訓を活かし、我が国の復興のため、教育・研究のさらなる発展に努めてまいります。

被災地の一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。

平成28年3月11日
国立大学法人熊本大学長 原田 信志

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