年頭所感

明けましておめでとうございます。 harada2015.jpg
穏やかな2017年の新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。
今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

昨年は、新年度早々の二度にわたる大地震、10月の阿蘇山の噴火など自然災害に見舞われ、特に熊本地震ではその対策に追われました。8月のリオ五輪での日本選手の活躍は明るいニュースでしたが、海外に目を向ければ、英国のEU離脱、トランプ氏の米大統領選勝利など大揺れに揺れた1年でした。
一方、本学の運営に関しては、機能強化促進係数による運営費交付金の減額は、第三期中期目標中期計画期間中の人件費減額に直結し、如何に計画的に人件費を削減するか苦慮いたしました。その対策として、各部局等に行動計画を立てていただき、それを基にした人事計画の評価を行うこととしました。この行動計画の作成にあたりましては、大変なご苦労をおかけしましたことを改めて感謝申し上げます。

平成29年(酉年)は、「復旧から復興への年」、「評価の年」、それに「組織改革の年」であります。

1. 復旧から復興へ
昨年は、地震関連の予算として、設備・施設の復旧経費と被災学生の経済的負担軽減経費を合わせて、総額約162億円の予算の措置を受けました。その結果、本年3月末までには地震によって損害を受けた設備、備品などのほとんどが地震前の状態に復旧すると思います。また、建物の損壊に関しては、建て替えが必要な工学部1号館は平成30年度末、附属小学校管理棟は平成29年度末に完成予定となりますが、その他の建物は9月頃までには、補修が完了する予定です。重要文化財である五高記念館などは、予算が措置され次第補修が行われますが、完成までには5〜6年かかると思われます。これからは、元に戻りつつある教育・研究環境を最大限に活かし、学生・教職員一同、教育・研究・社会貢献の活動を活性化させねばなりません。これが、復旧から復興への第一歩だと思います。更には、昨年6月にスタートした「熊本復興支援プロジェクト」も今年は更に活動を深めていただきたいと思います。

2. 様々な評価へ向けて
年明け早々の1月24日、第二期中期目標中期計画期間の教育研究評価のヒアリングがあり、第二期期間中の熊本大学の活動評価が決定されます。また、研究大学強化促進事業、スーパーグローバル大学創成支援事業、COCとCOC+などの中間評価も予定されています。評価の各目標値に近づくよう努力することは、熊本大学全体の教育研究システムの強化につながることなので、力を合わせ頑張ることが求められます。これらについても、皆様のご協力をお願いいたします。

3. 組織改革
まず自然科学系の研究部・教育部・学部体制を確立し、また、人文社会科学系においても研究部・教育部・学部体制の構築に向けて改革を促進させたいと考えています。教育学部では、教職大学院の設置に伴い大きな学部改革が必要です。その他の部局等においても、行動計画を立て組織などの改革を進めないと、限られた資源の中でその組織を維持することも困難になると思います。
昨年末「地域科学技術実証拠点整備事業」で「自然共生型産業イノベーションセンター」の設置が認められました。また、4月には、全学の教育研究施設として、「熊本創生推進機構」「くまもと水循環・減災研究教育センター」、「永青文庫研究センター」等が設置されます。これらは、既存の各センターや研究拠点の教育研究活動にも大きな刺激となることを期待するとともに、復興への大きな第一歩だと思います。

本年も大学予算の厳しい中で、最大の教育研究効果が発揮できるよう、また、最善の人事ができるよう全力を尽くしていく所存です。

どうか本年もご協力、ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。


平成29年1月4日
熊本大学長 原田信志

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