重要文化財旧第五高等中学校ほか3棟災害復旧工事報告書
1. 序文
国立大学法人熊本大学の黒髪キャンパス(北地区)には、1889(明治22)年に竣工した煉瓦造の建造物である「本館」(現五高記念館)、「化学実験場」、および「表門」が保存されており、その文化的価値が認められ、1969(昭和44)年8月19日に国の重要文化財に指定されました。また、同キャンパス(南地区)には、1908(明治41)年に竣工した煉瓦造の建造物である「旧機械実験工場」(現工学部研究資料館)が保存され、同様にその文化・産業遺産としての価値が認められ、1994(平成6)年12月27日に国の重要文化財に指定されました。
これらの建造物は、指定後も一般公開や活用が進められ、多くの方々に親しまれてきましたが、2016(平成28)年4月14日および16日に発生した熊本地震により、煉瓦壁体の亀裂をはじめとする甚大な被害を受け、やむなく休館を余儀なくされました。
2017(平成29)年2月より災害復旧に着手し、2018(平成30)年3月に「表門」、2021(令和3)年9月に「化学実験場」、同年12月に「本館」、そして2022(令和4)年2月に「旧機械実験場」の復旧が完成し、延べ60ヶ月の期間をもって完了しました。災害復旧工事では、被災した建造物の原形を維持しつつ、不可視部分へ構造補強を施すことで、建築当時の姿を保持させたまま復旧することができました。
本報告書は、災害復旧工事の記録をまとめ、後世に伝える資料として編集したものです。今後の文化財保全及び災害復旧の参考として広く活用されることを期待いたします。
今回の災害復旧において終始専門的な立場からご指導を賜りました文部科学省並びに文化庁をはじめ、熊本県教育委員会、熊本市教育委員会、公益財団法人文化財建造物保存技術協会や工事受注者およびその関係者の皆様に、心から厚く御礼を申し上げます。
2025(令和7)年2月
国立大学法人 熊本大学
学長 小川 久雄
2. 報告書
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