WEBマガジン「KUMADAI NOW」熊本地震、避難所運営は熊大生

now-short2.jpg

image01.jpg

運営本部解散時には拍手が起こりました

image02.jpg 2016年4月14日午後9時26分と2日後の16日午前1時25分、熊本県を震度7の地震が襲いました。学生と地域の人を含め、約1000人が熊本大学へ避難。そんな中、避難所の運営にあたったのは熊大生でした。「体育会(学内におけるスポーツ振興を図る学生団体。会員数は約4000人を誇る)、生協組織部(組合員がより快適な生活を送れるようにサポートする大学生協の学生組織)、紫熊祭実行委員会(黒髪キャンパスの大学祭(紫熊祭)の実行委員会)は新入生歓迎のイベントやオープンキャンパスの運営で元々協力体制ができていたんです」と話すのは、理学部4年の山崎 皆実さん。4月16日の午前3時頃に避難所運営本部が立ち上がりました。「普段は他のサークルと関わることはないのですが…」と話すのは、法学部3年の庄野智之さん。法学部の学生のみで構成されるサークル「志法会」のメンバーです。他にも、教育学部生涯スポーツ福祉課程や医学部保健学科の学生も運営に参加しました。それらの学生や団体をとりまとめたのが、紫熊祭実行委員会でした。支援のために集まった学生の役割分担をし、物資の確認や救護活動などを行いました。「約1000人の避難者に対して、支援を行った学生は多いときで150人。でも、深夜からの活動で体調を崩す人が出てきてしまいました」と教育学部3年衛藤豊さんは振り返ります。しかし庄野さんは「本部がしっかりしていたと思います」と返します。「学生が運営していたおかげか、他の避難所よりも明るくて、悲壮感をあまり感じませんでした」。避難所の運営はその2日後まで行われ、その後は個人での活動になりました。生協組織部の理学部3年柴田昌樹さんは「運営本部を解散したとき、避難所に来ている人たちから、わっと拍手が起こりました。嬉しかったですね」と語ります。

大学と地域、「動く人」と「考える人」、大学と防災…
ここに「学び」がある

image03.jpg
今回の避難所運営に際しては、日頃の地域との関わり方が役に立った、と衛藤さんは言います。「紫熊祭実行委員会は、ゴミ出しマナーの活動で黒髪町内の方との関わりがありました。それがなければ日頃から町内という枠組みを意識せずに動いてしまい、うまくいかなかったのではないかと思います。もっと大学と地域とで深い関係があってもいいのではないかと思いました」。非常事態の運営にアルバイトの経験が活かせたと話すのは庄野さん。「混乱している状態だからこそ、落ち着いて考え、治める力が必要だと改めて感じました。『動く人』と『考える人』は別でないといけないんだ、と」。山崎さんは「ただお願いをするだけでは目的まで伝わるとは限らないことに気がつきました。『こういう理由だから、こういうことを行ってほしい』と伝えると、相手も何のために行動するのかわかってくれると学びました」と話します。柴田さんは「困ったときに、政策創造研究教育センターの安部美和先生が近くにいてくれて安心しました。こういう大人になりたいなって思いました」とニコリ。
大学のあり方について、庄野さんは「大学は大きな機構なので『防災』でリーダーシップをとって、もっと活躍できると思います」と語ります。「『大学』だからこそ、できたことがたくさんありました」と山崎さん。「学部も色々あるから様々な対応ができます。今回、医学部の学生が避難所の救護活動を行いました。留学生もいるから、外国語対応もできます。大学同士のつながりもあるので、九州大学から地震の翌日には支援物資が届きました。一般のルートとは別ルートなので、他の避難所よりも早く支援物資を手に入れることができました。大学がどう動くか、日頃から考えないといけないなと思いました」。

活動の継承、被災者ケア…次のステップへ

image04.jpg
「運営本部を解散した後、避難所に来ていた小学生とその保護者の方からお礼の手紙をいただきました。中には『助かりました。熊大の学生になりたいです』と書かれていて、嬉しかったです」と衛藤さんは教えてくれました。未曾有の災害でしたが、熊本大学が一体となって災害支援に取り組んだことは学生にとっても大学にとっても大きな糧になり、また、地域への信頼を厚くしたことでしょう。「熊本地震の際、学生が避難所運営を行ったということをいろんな人に知ってほしいです」と山崎さん。次のために、彼らはもう動き出しています。「自分たちが行ったことを一通り振り返ってまとめて冊子にしようと思っています。いろんな人に知ってほしいし、後輩たちに何か活かせたらと思って…」と柴田さんが教えてくれました。この夏には、1年生向けのイベントを計画しています。「地震が起きたのは、1年生が入学して10日ほどしか経っていない時期でした。友達づくりのきっかけになるイベントを考えています」と衛藤さん。この経験が今後の学生生活や将来に大きく活きることでしょう。

(2016年7月28日掲載、2016年12月15日一部改訂)
※「崎」のつくりは、正しくは「大」ではなく「立」です。環境によって正しく表示されないため、「崎」 を使用しています。

お問い合わせ
マーケティング推進部広報戦略室
096-342-3122