先端科学研究部・田中智之研究室が携わった「仮設住宅団地[御船町東小坂仮設団地]」が2017年度グッドデザイン特別賞を受賞

先端科学研究部・田中智之研究室が携わった「仮設住宅団地[御船町東小坂仮設団地]」が2017年度グッドデザイン賞のベスト100に選ばれ、さらにグッドデザイン特別賞[復興デザイン]を、ボランタリー・アーキテクツ・ネットワーク(東京都)、慶應義塾大学SFC坂茂研究室(神奈川県)と連名で受賞しました。そして来る12月7日に東京の国際文化会館にて贈賞式が行われます。

受賞対象の概要は以下の通りです。
「熊本地震後の仮設住宅とそれに付随するコミュニティスペースの計画である。 従来の仮設住宅では住戸間の遮音性能や各住戸の収納スペースの不足といった問題がある。そこで住戸間に構造パネルの奥行きを利用した家具を配置することで十分な収納スペースを確保しつつ住戸間の遮音性能の向上を図っている。工場製作する構造用の木質パネルは現場での工期短縮を実現し、3棟10世帯の団地を1ヶ月の工期で建設した。 2つの住棟の中央部には屋根をかけ、その下に談話室と縁側デッキからなるコミュニティスペースを配置し、仮設住宅の入居者や近隣の住民も気軽に集うことができるような場所を提供した。」

審査委員の評価は以下の通りです。
「従来の仮設住宅における物理的な諸問題を解決しつつ、そのスケール感や仕上げの木質感が居住者に優しい雰囲気を提供する。また、共用部は日常生活の場の中に組み込まれ、自然で気軽な近所つきあいをもたらすだろう。さらには、システムとして単純明快であり、将来にわたって他の被災地においても適用できる汎用性があると言える。このようにプランニング、技術、構法におけるデザインが高度に統合された仮設住宅であり、社会のためのデザインであることが高く評価された。」

※グッドデザイン賞とは
グッドデザイン賞は、1957年に創設されたグッドデザイン商品選定制度を発端とする、日本で唯一の総合的なデザイン評価・推奨の運動です。
2017年度グッドデザイン賞は、4月5日に応募受付を開始し、1985年以降で最多の応募となる4,495件のデザインを対象に審査を実施した結果、全1,403件の受賞が決定しました。この中には、2017年を象徴するデザインである「グッドデザイン大賞」候補7件と、独自性、提案性、審美性、完成度などで特に高く評価された「グッドデザイン・ベスト100」の100件が含まれています。また、長年にわたりユーザーから支持されてきたデザインに贈られる「グッドデザイン・ロングライフデザイン賞」25件も決定しました。

関連サイトのURL:
http://www.g-mark.org/award/describe/45741?token=UdtFEPSLmU

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