自動車排ガス浄化触媒における貴金属成分の酸化還元挙動の解明―高輝度放射光を用いた触媒のリアルタイムモニタリング―

工学研究科触媒・電池元素戦略研究ユニット長 田中庸裕教授、同ユニット朝倉博行特定助教らは、東京大学大学院理学系研究科(佃 達哉教授)をはじめとする国内8の大学・研究機関と共同で、貴金属成分の酸化還元挙動を解明した。
自動車排ガス浄化触媒における貴金属成分の酸化還元挙動を触媒動作条件下における「その場観察」によって明らかにした。自動車排ガス浄化触媒中の貴金属粒子は非常に長い時間高温に晒されるため、次第に粒子同士がくっつき合わさってより大きな粒子を形成し、触媒活性の低下を招く。本研究では、貴金属粒子表面の酸化過程において、酸化された箇所が徐々に広がっていくのに対して、還元過程では表面がランダムに還元されていくことを見いだした。この知見は、貴金属使用量の低減あるいは高耐久化への指針になると期待される。
本研究成果は2017年12月11日、Journal of the American Chemical Societyにオンライン掲載されました。

【タイトル】
Dynamic Behavior of Rh Species in Rh/Al2O3 Model Catalyst During Three-Way Catalytic Reaction – An Operando XAS Study

【著者名】
Hiroyuki Asakura、Saburo Hosokawa、Toshiaki Ina、Kazuo Kato、Kiyofumi Nitta、Kei Uera、Tomoya Uruga、Hiroki Miura、Tetsuya Shishido、Junya Ohyama、Atsushi Satsuma、Katsutoshi Sato、Akira Yamamoto、Satoshi Hinokuma、Hiroshi Yoshida、Masato Machida、Seiji Yamazoe、Tatsuya Tsukuda、Kentaro Teramura、Tsunehiro Tanaka

【掲載誌】
Journal of the American Chemical Society

【doi】
10.1021/jacs.7b07114

【詳細】
プレスリリース本文 (PDF 704KB)

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